自分は読書に関してはオクテで、
高校生になるまでは教科書以外の本をほとんど開いたことはなかった。
もともと読書好きではないから、
長い文章に取り組むのが苦手もいいところで、最初は詩歌をおもに読んだ。
最も好きな文学作品として、旧ホームページのプロフィールに記していた、
啄木の
「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」(「一握の砂」)
は、今も変わらず他の追随を許さないが、
最初の師と言えば、芥川龍之介だった。
「人生は一行のボオドレエルにもしかない」(「或る阿呆の一生」)
学校の授業でこの箴言に魅了されてのち、
文春版文学全集の芥川の巻を買い求めて、
それまでにない熱心さで読みふけった。