あうたりわかれたりさみだるる 山頭火
ひとりゆきひとりかえりしさみだるる 遊歩
傘にあたる五月雨の音
清浄と
蕭蕭と
弱き風
服を濡らし
胸を濡らす
近くて
遠き
人と人
遠くて
近き
人と人
やがてはひとつの
宙になる
五月雨を集めて早し最上川 芭蕉
最上川は海へ
海は空へ
空は宙
悩み流した涙
苦悩
悶え
歓喜
太古から
今
愛の泪
苦の泪
尽きぬ泪
理不尽な泪
地球が流す涙
集めて空から
宙から
降りしきる五月雨
君の
私の
あの子の
この子の
泪の訳を
知るのは宙
宙からのキス
受け止めてみよう
受け止めておくれ
泪の訳を
の 2022.5.12 雨 20℃