現代の都会では様々な菫が花壇や鉢植えに
野に咲く小さな菫はまだ見かけていません
春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ野をなつかしみ一夜寝にける 山部赤人(万葉集・第8春雑歌)
訳註・伊藤博(春の野に、すみれを摘もうと思ってやってきた私は、その野の美しさに心引かれて、つい一夜を明かしてしまった)
ひと言極私的深想い(純粋な野のすみれ賛歌なのに)
菫の花が美しく、つい時のすぎるのを忘れて一夜。
花にも劣らぬ美し女性がお供に居られたか、はたまた野辺の近くに住む麗人をお見かけになり一夜を共になさったのかと、
余分な妄想にかられる春の一夜です
春の野遊びは霞に溶け込む麗しさや、優しく晴れた空のもとの
影を追うような幻想を少し甘く優しく・・・ときに切なく
俳句の季語では、菫は一夜草ではないが、菫のことを一夜草ともいう、万葉集の山部赤人のこの歌が由来ではないかと。
様々な色とりどりの菫が咲く季節になった
花々草々が芽吹き咲くのを見ながら歩くとき
この平安な時がいつまでも壊されないようにと
祈るこの頃の春独夜
2022.3.25 晴 19℃