債務整理・過払い金返還請求について | 弁護士山中靖広のブログ

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東京都立川市で法律事務所を開いている弁護士山中靖広のブログです。

多摩中央法律事務所では2009年の創設以来、債務整理(任意整理、民事再生、自己破産、等)・過払い金返還請求の案件を多く扱ってきました。合計件数は5000件を超えています(法人化の前後を通算。進行中の案件を含む)。

 

債務整理は、大きく分けて、任意整理、民事再生、自己破産、があります。また、後述するように、時効援用で解決できる場合もあります。

 

任意整理は、弁護士が債権者と交渉して返済条件を変更する手続きであり、ほとんどのケースでは和解後の利息をゼロにできます。

また、月々の返済額も従来より減らして合意できることが多いです。それによって、生活の再建を図ります。

一般に、5年分割までだと合意できることが多く、業者や債務額によってはさらに長い分割にして月々の返済を少なくすることができることもあります。任意整理は交渉により返済期間を決めることができる(ただし、おおよその上限はありますが)、ボーナス併用の返済計画を立てることもできる(ただ、ボーナス払いの設定ができるかは債権者にもよる)、生活再建に支障がない範囲で一部の債権者を外すこともできる(それゆえ、オートローンには介入せずに車を残す、というようなこともできる)、などメリットがあります。

 

反面、グレーゾーン金利での取引がなかった場合は元本の減額は期待できず、元金を分割で払っていくことになる、という点で、返済能力がある程度ないと難しい手続きではあります。また、いわゆるブラックリスト(信用情報機関の不利益な登録)は任意整理でもされます。

 

当事務所では、多くの任意整理の案件を扱ってきており、交渉の経験は豊富にあります。

 

民事再生(小規模個人再生、給与所得者等再生)は、裁判所に申し立てて債務総額を減らしてもらう手続きです。住宅資金特別条項を用いることで、持ち家を残しつつ、住宅ローン以外の債務を減額できるのがメリットです。また、破産のような国家資格の制限もありません。

 例えば、住宅ローン以外の債務が500万円の場合、100万円まで減らせるのが基本です。減った後の額を3年~5年で返済します。返済の条件については再生計画案で定め、裁判所による認可を得ることが必要です。ただし、清算価値基準といって、破産の場合に換価される資産の額より減らすことができない、という決まりがあります。もう少しわかりやすく言うと、持っている資産額より少ない額にはできないということです。例えば、住宅の価値が3000万円で住宅ローン残高が2800万円の場合、差額の200万円を持っているのと同じなので、500万円の債務は100万円まで減らすことはできず、200万円が最低弁済額となります。

 また、給与所得者再生の場合は、可処分所得基準も満たす必要があります。

 

なお、小規模個人再生は債権者数で半分以上、債権額で過半数が不同意の意見を述べると認可されませんが、給与所得者等再生にはそのような仕組みはありません。しかし、給与所得者等再生には上述の通り可処分所得基準も満たさないといけないという制約があり、小規模個人再生の場合と比べて減額できる幅が小さくなってしまうこともあります。

 

再生はこのように成功すれば大幅に債務を減らせることが期待できますが、反面、一部の債権者だけ外すことはできない(それゆえ、担保付きの自動車ローンなどにも介入せざるを得ない)、官報に開始決定と免責決定の時に住所と氏名が掲載される、などのデメリットもあります。また、いわゆるブラックリストへの掲載(信用情報機関への不利益な登録)は任意整理同様、行われます。

 

とはいえ、破産のように資産を手続き自体で失うことはなく(ただ、担保権の行使により自動車を引き上げられる等はケースによりあります)、持ち家を残す手続き(住宅資金特別条項)もありますので、状況によっては生活再建のために効果的な手続きとなっています。当事務所では、住宅のある案件、ない案件も、また、小規模個人再生、給与所得者等再生、いずれも、多くの経験があります。ぜひ、民事再生についても、当事務所にご相談ください。

 

自己破産は、裁判所に申し立てて開始決定を受けることで始まる手続きで、個人の場合は免責の申し立ても同時に行います。

裁判所による免責を経ることで債務の支払い義務がなくなることがメリットです。ただし、税金や公的保険料の支払い義務は消えません。また、一方で、資産は原則として換価されてしまうため、持ち家は原則として失うことになる、その他の資産も自由財産とされたもの以外手元に残せないというデメリットがあります。その他、開始決定から免責の確定までの間は一部の国家資格が使えなかったり一部の業種に就けない、官報に開始決定と免責決定の時に住所と氏名が掲載される、などの不利益があります。それゆえ、持ち家等の資産がある場合にはデメリットもある手続きですが、反面、免責が認められれば債務の支払いは免除されますので(公租公課、養育費、など、非免責債権を除く)、効果も大きな手続きといえます。また、いわゆるブラックリストへの掲載(信用情報機関への不利益な登録)は任意整理、民事再生同様、行われます。

 

 なお、統計を見る限り、現在はほとんどのケースで免責が降りています。ただ、そのためには依頼した弁護士と、(管財人が付く場合は)管財人、そして、裁判所の指示に従ってください。

 

当事務所では、自己破産についても、多くの経験があり、個人の破産も、法人の破産も扱ってきました。自己破産についても、ぜひ、当事務所にご相談ください。

 

その他、時効援用で認められた場合は、そもそも上記3類型の手続きをする必要なく、解決できることとなります。改正前民法を前提に考えると、消費者金融やクレジット会社からの借り入れの場合、時効は基本的に5年ですが、訴訟をされると判決の確定から10年は時効にならなくなってしまうので、注意が必要です。時効前に支払督促(簡裁の手続き)をされて仮執行宣言付支払督促が確定した場合も同様に解されます。その他、返済の約束等も時効中断(更新)事由となるので注意が必要です。

 

また、当事務所では、過払い金返還請求にも力を入れています。過払い金返還請求は、取引中でも、完済後でも、可能です(ただ、取引中の場合は、計算した結果残高が残る場合は任意整理という扱いになります)。時効の問題もあるので、早めのご相談をお勧めします。

 

債務整理、過払い金のご相談は、相談だけなら無料なので、まずはご相談いただければ、と思います。ご相談ご希望の方は、お電話か電子メールでご予約の上、立川の当事務所までご来訪ください。

 

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