京橋に来たもうひとつの目的。
それはこのハガキ。
この裏側に「桑原弘明展 Scope」の案内があったからです。
このハガキをどこで手に入れたかというと、先日行った「光を漕ぐ舟」という企画展(↓)。
先ほどのハガキの写真は、小さな箱に上から懐中電灯を照らしながら、中を覗いたときに見える景色なんですね。
雑居ビルの三階の小さなギャラリーで、関係者らしき人が何人かいるようで、ちょっと入るのに勇気が要りましたが、入るとすぐに係の女性が案内してくれました。
「前に見たことありますか?」「はい、あります。」で、「これとこれが新作になります。」と懐中電灯を渡しながら教えてくれました。
作品が小さなギャラリーに並べられていて、作者ご本人も在館で、あとでお話することができました。同年代かな、と思いましたが、あとで調べたらわたしより2コ下でした。
つい、作品集のようなものを買ってしまいましたよ。その中で、Scopeとはどういうものかをわかりやすく説明していたので、ご紹介しますね。
下の箱の覗き穴というか筒先から中を覗きながら、箱の上や横に開いた穴から懐中電灯で中を照らすと、レンズ越しに違う景色が見えて来るというもの。
壁の手前だけが見えたり、全体が見えたり、壁の扉の向こうだけが見えたりするわけです。そしてそれが小さな箱の中にあるとは思えないほどリアルで詩的。
例えば、中のイスはこんなに小さい。125分の一が多いと仰ってました。手前か奥かで120分の一にすることもあるとか。繊細過ぎる。
新作のハガキもあって、奥にある馬の像の本物の高さは4mと仰ってましたから、中の世界は架空のものではなくて、モデルが存在するのかもしれません。
「どうしてこういうものを作るという発想になったんですか?」と伺ったら、「なんでしょうね、見える世界を自分の手の中に持っていたかったんですよ。」と仰ってました。
わたしの写真がないので賑やかしに地下鉄での自撮り写真を載せますが、ギャラリーで作者の方と一緒に写真を撮ってもらえばよかったと思いました。時すでに遅し。