水元公園からバス停ひとつ離れた辺りに、しばられ地蔵がありました。南蔵院というこのお寺、在原業平ゆかりのお寺で、しばられ地蔵は大岡越前守のお裁きで有名になったとか。

 

 

 日本橋の呉服屋の手代が南蔵院の境内で居眠りしている間に反物を荷車ごと盗まれ、調べにあたった大岡越前守が、泥棒を見逃した地蔵にも罪があると、縄でぐるぐる巻きにして奉行所まで引っ立てた。

 

 物見高い野次馬たちが地蔵を追って奉行所になだれこんだところで、門を閉め、天下のお白州に乱入するとは不届き至極、罰として反物一反を納めよと命じたところ、山のように反物が集まって、その反物の中から盗まれたものを見つけ出し、それを辿ることで、盗賊の一味を捕まえたという故事によるもの。

 

 

 越前守は地蔵の霊験に感謝し立派なお堂を建て盛大に縄解き供養をおこなったとのこと。それ以来、願をかけるときに地蔵に縄をかけ、願いが叶うと縄を解くようになったそうです。


 

 

 以前、品川のしばられ地蔵に行きましたが(→ 1839. しばり地蔵?しばられ地蔵? )、それどころではない、ぐるぐる巻きというか、がんじがらめで、こちらの願いは随分たくさんあるようです。

 

 縄はすぐ横に用意されていて、一本百円で奉納できます。