僕は、どの子に対しても「感謝の褒め、ありがとうの褒め」を大切にしています。
大学の卒業論文で、『「褒め」が子どもの動機づけにどう影響するか』について園児と小学生に対して実験させていただき、論文をまとめました。
簡単に実験の説明をすると、
ある作業の作業効率が、3つの褒めの前後でどう変化するかという実験です。3つの褒めとは、以下の通りです。
①「すごいね!」などの【称賛のほめ】
②「ありがとう」などの【感謝のほめ】
③微笑んでうなずく【うなずきのほめ】
結果は・・・
園児に対しては、【称賛のほめ】が一番やる気に繋がり、
小学生に対しては、【感謝のほめ】が一番やる気に繋がりました。
※先行研究と同様の結果
結果は結果として、子どもたちは年齢の違い(成長度合い)で反応が違うのだなという程度に留めています。
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僕たちサンテココアのメンバーは、どの子に対しても【感謝の褒め、ありがとうの褒め】を大切にしています。
「ありがとうね!」ということだけが感謝の褒めなのでなく、アイメッセージ(Imessage)で伝えることがポイントだと捉えています。
・マット運ぶの手伝ってくれてありがとう
・やる気が伝わってくるよ!
・〇〇くんの元気な声のお陰でみんなのやる気も上がってるよ、ありがとう!
・〇〇ちゃんのがんばりが嬉しい。
・前は〇〇だったのに、今こんなにできてる。いっぱい練習したんだろうね。感動したよ。等々
家庭で息子たちに対しても
・〇〇取ってくれるー?ありがとう。
・お父さん嬉しいよ。
・いま〇〇をがんばってるんだね(事実)。特にどんなところをがんばったの?→そうかぁ、そういうところをがんばったんやね(共感)。
・(事前にトイレに促す指示や食事前の片付け、着替えなどの指示等に対して)話を聞いてくれてありがとうね。
等々。
*補足*
称賛のほめを一切しないということではありません。感動したことや心から凄いと思ったことに対しては自然に「うわっ!すごいっ!」など自然体で褒めの言葉が出ます。
【感謝の褒め】を大切にする理由は大きく3つあります。
まず、すごいね!上手だね!えらいね!など称賛のほめばかりしていると、子どものがんばる目的が「褒められるため、認められるため」になってしまいます。やる気を外に求めるのでなく内発的なやる気で動いてほしいと願っています。
次に、褒めるという行為は「能力のある人が能力のない人に下す評価」という側面が含まれています。※アドラー心理学「嫌われる勇気」参照
僕たちは、上下や縦の関係でなく、存在価値は対等な「横の関係」でありたいと思っています。まだまだ自分たちの未熟さを痛感しますが、それでもそのような世界に向かって歩んでいます。
そして最後に、心からの(本音の)感謝のほめを通して、子どもたちに貢献感を感じてもらいたいと思っています。周りに対して貢献できている、と自分自身で感じることができれば、自分を受容することにも認めることにも繋がると思っています。
心に染み付いた縦の関係を拭い去るのはとても難しく、反省も多いですが、目指していきたい「道」です。これからも子どもたちに心からの「ありがとう」を届けていきます。