シャネル、ディオール。海外ブランドコスメの価格の変遷を深掘りしました! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆今年は化粧品も値上げの嵐! でも外資系はバブル景気の時の方が高かったのです!

 

こんにちは、山村です!

 

世界的なインフレ傾向や、

一気に進んだ円安の影響を受けて、

昨年から消費財や光熱費などの

値上げラッシュが続いていますビックリマーク

 

為替レートは、ここ数年、米ドル/円が

110~115円あたりで安定していたのが、

3月頃から急速に円安が進み、

2022年10月17日時点では148円!!

 

化粧品の原材料価格も

これまでになく高騰していて、

シャネル、ディオール、MACなど、

値上げをする海外ブランドが増えました。

 

海外ブランドコスメの代表格シャネルは、

7月20日から新価格にあせる

 

値上げ幅は、口紅の「ルージュ アリュール」が

4,950円から5,500円(税込)にビックリマーク

もともと高いサブリマージュのクリームは、

69,300円から75,900円と、

6,000円を超す値上げです(いずれも税込)。

 

海外ブランドの化粧品価格は、

為替レートや景気によって、

これまでにも上下してきました。

 

でも、1980年代のバブル景気の頃には、

今より高かったイメージがあり、

今回、昔の雑誌を調べ直したところ、

やっぱりという結果が…爆  笑

 

今から34年前、

1988年(昭和63)11月号の『JJ』では、

シャネルの口紅「ルージュ エクストレム」が

6,500円ビックリマーク

ディオールのアイパレット、

「サンク クルール」は11,000円でした!!

 

シャネルの口紅は今、5,500円。

ディオールの「サンク クルール」は、

今年の値上げ後でも8,470円(税込)なので、

1988年の方が、今よりずっと高かったのです。

 

バブル真っ盛りの昭和末期には、

それでも余裕で売れたんですねコインたち

ちなみに当時の米ドル/円の為替レートは、

120円位でした。

 

年号が平成に変わり、

1991年にはバブル景気がはじけ、

その後数年は企業倒産や不況の話題が

世の中を席巻ガーン

 

1993年には、

円高が進んで1ドル100円に迫った時もあり、

輸入品の内外価格差が社会的な問題にビックリマーク


そんな中、’93年から’96年にかけて、

海外ブランドの化粧品の値下げが続きました。

’93年にはシャネルやディオールの

5,000円の口紅が4,000円に。

 

下の写真は、値下げ前の「サンク クルール」、

11,000円です。

 

『COSMETICS 6 メイク・テクニック辞典』(婦人画報社 1993)より

 

’94年には、再値下げで、

4,000円の口紅が3,200円にビックリマーク

 

’96年にも値下げがあり、

シャネルの「ルージュ アリュール」は

3,200円から2,700円に!!

 

これに消費税3%(当時)が加わりますが、

それでも’96年はバブル以降、

現在に至るまでの最安値だったと思います。

 

2,700円だと、花王オーブ(当時3,200円)や

資生堂レシェンテ(同3,500円)よりも

安かったのでした。

 

最安値の頃。「ViVi」 1996年6月号より

 

しかし、1996年後半から円安に振れ、

シャネルは’97年1月24日から値上げビックリマーク

 

2,700円だったシャネルのリップも、

わずか1年で2,900円に。

 

消費税もこの年の4月から5%にアップとなり、

海外ブランドの化粧品は、

少しずつ値上げされて現在に至っています。

 

とはいえシャネルの「ルージュ アリュール」

を例にとると、昨年で4,950円(税込)と、

5,000円を切っています。

 

今年の価格改定でも、

シャネルの口紅は5,500円が上限。

消費税がなかったバブルの頃より、

まだ安いのですビックリマーク

 

昔が高すぎたと言ってしまえば

それまでですが、

平成の30年、日本がデフレで苦しむ間に、

世界は経済成長を遂げ、給料やモノの値段で

日本がおいてきぼりをくらったことが、

化粧品の価格推移からも見える気がします。

 

次回は10月27日頃更新予定。