◆映画女優を目指す千代。洋装に洋風のヘアスタイル"耳隠し"を結っています!
こんにちは、山村です!
今回は、今放映されている、
NHKの朝ドラ「おちょやん」の
ヘアスタイルに注目しました
「おちょやん」は、
大正末期から昭和40年代にかけて、
映画やテレビで活躍した女優、
浪花千栄子をモデルにした朝ドラ
”おちょやん”こと主人公の竹井千代は、
杉崎花が演じています。
朝ドラでは大正5年(1926)、
千代が9歳の時から、物語ははじまりました。
道頓堀の芝居茶屋でのお茶子(女中奉公)、
京都のカフェーの女給など、
当時の貧しい家庭の女の子が
たどりがちな道を経て、
第7週、1月18日(月)~23日(土)からは、
いよいよ鶴亀撮影所で、
念願の活動写真の女優修行がスタートします
時代的には、大正14年(1925)、
千代が19歳頃の設定です。
先週の予告篇で、
これまでの日本髪ではなく、
洋服を着て、
洋風のヘアスタイルにした千代が、
ちらりと映りました。
その髪型は「耳隠し」
耳隠しとは、両サイドの髪に、
こてを熱してウェーブをつけて耳を隠し、
残った髪を、後頭部で髷(まげ)に
まとめたヘアスタイルです
大正9年頃から日本で結われるようになり、
大正時代末期には、モダンな髪型として、
大流行していました。
ドラマのヘアスタイルも、
時代設定にしっかり合っています。
下の写真は、少し時代が後になりますが、
昭和7年(1932)の「アサヒグラフ」
に載った、こてを使ってウェーブをつくる、
マーセルウェーブという、
技術で結いあげた、典型的な耳隠し
千代のヘアスタイルも、
まさにこんなイメージで結われていました
大正14年頃は、ウェーブ用の
こてを火で熱して使ったのですが、
昭和7年頃になると、電燈線から電気をもらって、
電熱でウェーブをつけるこても販売されています。
いわば、現代のヘアアイロンのルーツ
写真は、上の女性の髪を結うのに
使われた国産品の電気ごて、
アイデアル・ヘーアウエーヴァー
コードが付いているのがわかりますよね。
マーセルウェーブのヘアスタイルにするには、
美容師さんに頼むのが一般的でしたが、
この電気ごては、自分でウェーブを
つけられるのがセールスポイント
その様子が下の写真です
髪がはさまれた部分に熱を加えて、
ウェーブをつくる原理は、
現代のヘアアイロンと同じですね
実際にどれだけ普及したのかは、
わからないのですが、
こうした器具が開発されるほど、
「耳隠し」が一般に普及していたのは
間違いありません
朝ドラをご覧になっている方は、
主人公のヘアスタイルの変化にも、
ご注目ください
耳隠しについて、
さらに詳しく知りたい方のために、
以前のブログを貼っておきます
興味のある方はぜひご覧ください
次回は1月25日頃更新予定。