平成の化粧モノがたり 7. スリミング化粧品ブーム! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

化粧の日本史ブログ by Yamamura

昔の化粧から今の化粧まで、
化粧と社会、化粧と文化に関する
さまざまな話題をとりあげていきます。









サイト内の文章・写真などの複製、無断転載を禁止します

スヴェルトにリフトマンスール、みなさん覚えてますか?

 

こんにちは、山村です!

 

きれいになりたいと願う女性にとって、

ダイエットは永遠のテーマ。


特に平成前期の90年代は、

スーパーモデルがブームになった時期で、
日本でも、宮沢りえさんのヌード写真集『サンタフェ』が爆発的に売れるなど、

「魅せるからだ」が注目された時期でもありました。
「魅せるからだ」をつくるのに必要なのは、エクササイズとダイエットビックリマーク

エクササイズは、80年代には、エアロビクスが大流行していましたね。


90年代前半に流行したダイエットは、

もずくダイエットやりんごダイエット、杜仲茶ダイエットなどなど。


そして、そこに華々しく参入したのが、スリミング化粧品!!

ブームの火着け役になったのが

ディオールのスヴェルトでしたキラキラ

 

「化粧品で、しかも塗るだけで痩せる」

と話題になった商品です。


そして、私も含めて買った知り合いの誰からも、

ちゃんと「痩せた」という話を聞かなかったのも、事実でしたショボーン

 

スヴェルトの発売は1995年4月。
でもスヴェルトは、日本発売前から口コミですでに有名で、

雑誌などでも商品名が紹介されていたので、海外旅行のお土産で買ってきたり、

当時流行していた個人輸入で手に入れていた人も多かったですドキドキ


発売当日には、都内のデパートの前に、

100人以上の行列ができたという逸話も。
発売後も百貨店のディオール売場では品切れが続出ガーン

今考えると、みんな冷静じゃなかったビックリマーク

 

それでは商品はといえばはてなマーク
色はメープルシロップのようで茶色。

テクスチャーはどろりとしたジェルタイプ。


これを1日1回、気になる部分に塗るのですが、
香りはけっこう薬臭くてきつく、正直私は苦手でした。


お値段は6000円。
きちんと使うと、ひと月しか持たないので、結構高い。


でも、それをお手頃だと言ってしまえるのが当時の感覚でした。
バブルは数年前に崩壊したとはいえ、

身についた贅沢感は、まだそのままだったんですね札束


現物を見たい人は、

申し訳ありませんがネットで検索して下さい。すぐに出てきます。

 

スヴェルトを皮切りに、続々と塗るスリミング化粧品が発売されました。
96年発売の商品に限っても、

エスティローダーのタイゾーン、クラランスのリフトマンスール、

ランコムのリフレックスマンスール、資生堂のリフトコンシャスなどなど。

 

私は、クラランスのリフトマンスールが、香りも含めて好きでした。
効果はなかったですがショボーン

 

写真は、1996年発売のクラランス、リフトマンスールの広告です。

 

 

ただ、こうしたスリミング化粧品は、

薬事法の関係で、広告では「肌を引き締める」とは書いてあっても、

「やせる」とは書いてなかったはず。

 

現にディオールのスヴェルトも

「気になる部分を引き締める化粧品」と言ってましたし、

クラランスのリフトマンスールも、キャッチコピーは

「締まったカラダは私がつくる。」で、広告の右下に、

「締まったカラダづくりには

バランスの良い食事と適度なエクササイズは欠かせません」

と小さく書かれていますビックリマーク

 

 

「痩せる化粧品」として流行をつくりだした、口コミの力は、本当にすごいびっくり

 

雑誌の特集などで、スリミング化粧品と銘打っていたのも、

女性の心をつかんだ要因のひとつといえますが、

時代背景として、90年代が、からだへの意識が高まった時代だからこそ、

これほどのブームになったのだと思います。

 

ただ、痩せる効果は感じられなくても、

スヴェルトなどをつけると、肌がスベスベしたのは誰もが感じたはず。


このスリミング化粧品のブームが私たちに教えてくれたことは、

塗るだけで痩せるなんて甘い話はないショボーンということでした。

 

でも、スリミング化粧品ブームの副産物として、

女性たちにボディケアの意識が高まり、

ボディ関連商品にも目がいくようになったのは確かです乙女のトキメキ

 

次回は5月20頃更新予定。