◆日本で「マスカラ」という名の商品を最初に発売したのは、ハリウッド化粧品！
こんにちは、山村です！
メイクをするとき、
アイメイクに時間をかける人は多いと思います。
時間がないときには、
マスカラだけでもつけると、
まつ毛が濃く長く見えて、
目がぱっちりと立体的な印象に
マスカラは、
昭和50年代後半から平成初期にかけての
ナチュラルメイクブームの頃には、
あまり注目されていませんでした。
ところが、コギャルが話題になった
1990年代なかばから復活の兆しを見せ、
2000年代に巻き起こった「目力ブーム」以降、
若い女性の間で、
メイクの必須アイテムになっています
そのマスカラですが、
語源は不明だといわれています。
でも、19世紀末頃には、
舞台俳優が眉やまつ毛に塗るものとして、
欧米で、その名が認識されていたようです。
歴史を振り返ると、
化粧品として市販されるマスカラを
初めて開発したのは、アメリカ人の薬剤師、
トーマス・L・ウィリアムスでした。
1913年、目が小さいのを悩んでいた
妹メイベルのために、
ワセリンと石炭粉をブレンドしたのが、
はじまりといわれています。
1915年には、メイベリン（妹の名メイベルと
ワセリンをミックスした命名）を創業。
本格的にマスカラを売り出しました
メイベリンの詳しい歴史を知りたい方は、
下記の公式サイトをご覧ください。
https://www.maybelline.co.jp/history
初期のマスカラは、
軟膏（クリーム）タイプやケーキ（固形）タイプ
だったようですが、
その後、現在のような液体タイプも開発されました。
欧米の女性は、まつ毛の色が薄い人が多いので、
マスカラが重視されたのです。
写真は、昭和元年（1926）の
『婦人画報』4月号で紹介されたハリウッド女優。
アイメイクにご注目
しっかりマスカラをつけています
このマスカラが日本に入ってきたのは、
大正末期から昭和初期
日本人で当時、マスカラを使っていたのは、
女優やモダンガールなどごく一部の女性でした。
昭和3年に出版された
『近代美容法』（メイ・牛山著）には、
舶来品の「デリカブロー」
「メーブリン（おそらくメイベリン）」が
睫毛墨（まつげすみ）という言い方で
紹介されています。
そして昭和12年（1937）には、
メイ牛山のハリウッド化粧品から、
「マスカラ」という名前の、
液体マスカラが発売されました
日本で「マスカラ」という名称は、
ここから広がったと思われます。
20年後の、昭和32年（1957）の
『スタイル』7月号にも、
「マスカラ」の広告がありました
「まつ毛のクシでメイ・ウシヤマの
液体マスカラをつけてごらんなさい」
と、書かれたコピーがありますが、
日本でマスカラが流行するのは、
もう少し先の話。
ツイッギーが来日した昭和40年代
になってからのことでした。
広告によると、「マスカラ」は、
名称登録されている（商標登録のことか？）ようです。
でも、現在では、
ハリウッド化粧品以外の商品も、
「マスカラ」と呼ばれています。
おそらく、なしくずし的に、
使われるようになったのでしょうね
ちなみに、2018年2月に、
ハリウッド化粧品のグループ会社、
アヴァンセが、「ハリウッドマスカラ」
（全2種）を発売しています
下のアヴァンセのプレスリリースには、
昭和12年に発売した当時の「マスカラ」が、
カラーで紹介されています。
これをみると、上記の昭和32年の
「マスカラ」とほぼ同じようです
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000029069.html
まさに、現代のマスカラの原型
といえる製品でしょう
ハリウッド株式会社は、
大正14年（1925）に、美容室をオープン。
美容師養成や化粧品製造をはじめた
老舗企業です。
機会を改めて、
その歴史や化粧品についてご紹介します。
次回は11月14日更新予定。