季節の花と化粧 春編 スミレふたたび! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆ヨーロッパでは、スミレを砂糖漬けにします!

 

こんにちは、山村です!

 

東京では、今がスミレの盛りです。

 

今年は春の訪れが早かったので、

花が終わったスミレもけっこうありますコスモス


スミレは化粧に関連深い花ビックリマーク

 

昨年5月には、このブログで、

明治時代以降の日本で、

スミレの香りの化粧品が、

どう普及したかについて書きましたが、

今回はヨーロッパのニオイスミレについて、

ご紹介します。

 

ヨーロッパでは、ニオイスミレ

(スウィート・ヴァイオレット)が

昔から香料として、

お酒(例:リキュールのパルフェ・タムール)や

香水、お菓子などに使われてきました。


写真は外来種のスミレ。

でもニオイスミレではありません。

ニオイスミレは、小さな花にもかかわらず、

とてもいい香りがしますビックリマーク

 

日本でも外来種が自生して、

在来種をおびやかしているんですね。

 

 

現代でこそ、スミレの匂いの成分イオノンは、

合成でできますが、19世紀末期までは、

ニオイスミレの花から香りを抽出していました。


小さな花をたくさん集めても、

ほんの少ししかとれない希少な香りです。

スミレの香水を愛用できるのは、

上流階級だけでした。

 

香水だけでなく、香りを楽しめるのが、

スミレの砂糖漬け


下の写真は、オーストリアのお菓子メーカー、

デメル社の商品です。

 

 

容器に入っているのは、紫色の粒。

スミレの花に、

砂糖をコーティングして着色した砂糖菓子です。

 

1854年、オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝、

フランツ・ヨゼフ一世のもとに嫁いだ

美貌の皇后、エリザベートが愛したお菓子

と言われています。

 

昨年の夏に、

百貨店のデメルの売り場にあったのをゲットビックリマーク
人気の商品で、あっという間に

売り切れましたが…。

 

口に入れると、

ちょっと青っぽい甘さのスミレの香りが、

ふわっと漂います爆  笑

 

お味は砂糖菓子なので、普通に甘く、

最後に、スミレの花の草っぽい味が残ります。

 

成分表示をみると、香料入りとあり、

現代では、合成香料も使われている

ことがわかります。

 

好みは分かれますが、

スミレの香りを楽しめて、私は好きです。

試しにティーカップに入れて、

お湯をそそいでみました!!

 

 

青い色素が溶け出して、色がきれいです。

ちなみに、ティーカップは、

フランスの老舗ブランド、

リモージュのアンティークドキドキ

 

味の方は、香りのよい

砂糖入りのお湯といったところニコニコ

浮かんでいるのが、スミレの花です。

 

試しに、砂糖づけを紅茶に入れてみました。

入れる前と後の写真をくらべると、こんな感じビックリマーク

 

 

 

下は、2粒ほど、砂糖漬けを入れた写真。

もともとの青い色素で、

紅茶の赤がくすんでしまいましたあせる

砂糖菓子と紅茶は、

別々に食した方がよさそうです爆  笑

 

こちらのカップは、

数年前になくなったイギリスの陶磁器メーカー、

ミントンのアンティークラブラブ

 

ちなみに、スミレの砂糖漬けが好きだった

皇后エリザベートは、

無類の美容フリークでした。

 

化粧室にあるトレーニングジムで

エクササイズをして、

牛乳と卵だけといった偏食ダイエットで、

スリムな体型を保ったり。

 

美しさをキープするのに、

やっきになった彼女の話も、

いずれご紹介したいと思っています。

 

次回は、4月18日更新予定。