◆五倍子粉(ふしのこ)とお歯黒水を混ぜると真っ黒になるのです!
こんにちは、山村です!
今日はお歯黒の作り方についてご紹介します。
拙著、『化粧の日本史―美意識の移りかわり』
でも書いていますが、
お歯黒の材料は、
五倍子粉(ふしのこ)と、
お歯黒水(鉄漿水<かねみず>ともいう)です。
このふたつを混ぜると、化学作用で黒い色になります
五倍子粉とは、
ヌルデの若芽や若葉に
アブラムシが寄生してできた「虫こぶ」を採取して、
乾燥させ粉にしたもの
粉にしたものは、きな粉に似ています。
今でも五倍子は染料や薬用として
販売されています。
下の写真が乾燥させた虫こぶ(五倍子)。
主成分はタンニンで60~80%含まれています。
中は空洞になっていて、
アブラムシがいっぱい入っているのです。
大きさの比較に五円玉を置きました。
もう一つの材料であるお歯黒水は、
基本的に自家製。
米のとぎ汁やおかゆ、お茶や酢、
酒などを混ぜたものに、
さびた古釘など古鉄を加えて、
密封して冷暗所に保存して作ります。
そのうち発酵して、二、三か月すると、
茶色の泥(どろ)状の液体になるのですが、
こちらの主成分は酢酸第一鉄。
なんだか怪しい処方から
何となく想像できるように、
お歯黒水は、とても臭いです。
歯につける前に沸かすので、
臭いはさらに増します。
江戸時代の川柳に、
「かねハたちまちゆになってくさい也」
という句があるほど…。
というわけで、
私も自分では再現していません
代わりに、江戸時代にも使われていた
「インスタントお歯黒」で色を再現してみました。
それは次回にご紹介しましょう。
次回は13日に更新予定。