江戸時代の化粧の色 お歯黒 ② 材料と成分。実際にはものすごく臭いものでした! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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五倍子粉(ふしのこ)とお歯黒水を混ぜると真っ黒になるのです!

 

こんにちは、山村です!

 

今日はお歯黒の作り方についてご紹介します。

 

拙著、『化粧の日本史―美意識の移りかわり』

でも書いていますが、

お歯黒の材料は、

五倍子粉(ふしのこ)と、

お歯黒水(鉄漿水<かねみず>ともいう)です。


このふたつを混ぜると、化学作用で黒い色になりますビックリマーク

 

五倍子粉とは、

ヌルデの若芽や若葉に

アブラムシが寄生してできた「虫こぶ」を採取して、

乾燥させ粉にしたもの!!

粉にしたものは、きな粉に似ています。

 

今でも五倍子は染料や薬用として

販売されています。

 

下の写真が乾燥させた虫こぶ(五倍子)。

主成分はタンニンで60~80%含まれています。

 

中は空洞になっていて、

アブラムシがいっぱい入っているのです。

大きさの比較に五円玉を置きました。

 

 

もう一つの材料であるお歯黒水は、

基本的に自家製

 

米のとぎ汁やおかゆ、お茶や酢、

酒などを混ぜたものに、

さびた古釘など古鉄を加えて、

密封して冷暗所に保存して作ります。

 

そのうち発酵して、二、三か月すると、

茶色の泥(どろ)状の液体になるのですが、

こちらの主成分は酢酸第一鉄。


なんだか怪しい処方から

何となく想像できるように、

お歯黒水は、とても臭いです。

歯につける前に沸かすので、

臭いはさらに増します。

 

江戸時代の川柳に、

「かねハたちまちゆになってくさい也」

という句があるほど…。


というわけで、

私も自分では再現していません爆  笑
代わりに、江戸時代にも使われていた

「インスタントお歯黒」で色を再現してみました。

それは次回にご紹介しましょう。

 

次回は13日に更新予定。