数研出版チャート式の思い出
山本が大学受験をするときの受験用参考書というと
数研出版の青チャートと赤チャート
旺文社の寺田の鉄則
科学振興社の解法のテクニック
ぐらいしかありませんでした.
数研出版のチャート式というのは
初版が出されたのが確かヒットラーが政権をとった時じゃなかったかな.
大学受験の数学に悩む学生のために
星野華水先生という人が書かれたのが最初です.
その初版のまえがき,
時代を感じさせますよぉ
『世ニ良書ハ沢山アッテ,うまい解がノセテアル.
シカシ「こんなうまい解がどうして考え出されたか」ニツイテハ,
「着眼方針」等ノ指示がアッテモ,ナオ
「天機洩らすべからず」「雨降り」「天才の発明」
トイフ嫌イガアルガ,私ハ
「受験者自身が試験場で,しかも短い制限時間内に,
急所を押さえながら考えていく頭を作ろう」
トイフ信念ヲモッテ,
アルイハ冗長ニ流レルト思ワレルマデニ
自然解法ノ旗幟(キシ=旗印の意味です)ヲ鮮明ニシテ
指導シタノデス』
いやはや1930年ごろの参考書って
こんな感じだったんでしょうか.
山本が大学受験をする頃は
星野先生のこのような文体ではもちろんなくて,
赤チャートは神戸大学教授の橋本純次先生,
青チャートは京都大学の塹江(ほりえ)誠夫先生,
が新たに書かれたものでした.
でもね,
当時のチャート式というのは
今のように懇切ていないな解説と分厚い練習問題の解答などなくて,
例題はそこそこ丁寧でしたが
練習問題の解答はどの問題もわずか数行.
数学が苦手な人が自力で読破するのは
とても難しいものでした.
そう考えると当時の受験生って
多分チャートに必死にしがみついていたんでしょうね.
とはいっても
今のチャートにはない味のある別解や
方針の要点をついたCHARTの部分は
今見るととても「教える側として」参考になります.
なので昔の古き良き表現は生かした参考書を書いてみるのも
面白いかなあ…と思っている山本です.