心に残っている生徒ータブレット端末に授業の解答を書いていた男の子 | 山本先生

心に残っている生徒ータブレット端末に授業の解答を書いていた男の子

代ゼミで授業をしていたときのこと.

一番前で授業を受けてくれていたある男の子は

授業ノートを持たず,

板書内容をタブレット端末にタッチペンで記入しながら

授業を受けていました.

 

それはどの先生の授業の時も同じだったようで

ある数学の先生は

「そんな手を抜いた勉強をするな」

と授業中に怒られたそうですが

彼は叱られてもどこ吹く風で

自分の勉強方法を変えませんでした.

 

山本個人はタブレットに書き込むより

授業用ノートをしっかり取ったほうが

ノートの端に計算を書いたり

ノートに書くことで答案スペースを考えた練習にもなるし,

何よりもノートを見た瞬間

全体の解法の流れや注意点が見えるのが良いと思うのですが,

それは時代の流れかもしれません.

 

とはいえ山本が気になったのは

タブレット端末に記入した後は

色をつけたり図を添付したり,

後で探しやすいように問題をファイルするなど

勉強とは関係ない時間が多くかかることです.

彼を見ているとその時間は全く数学をせず,

まるで資料整理をしているように思えて,

資料整理=数学の復習 と取り違えている気がしたのです.

 

それでも,成績が順調に伸びていれば

特に気にはならなかったのですが,

医学部クラスにいるのにいつまでも数学の成績は最下位.

 

実は予備校で数学を教えていると,

この人は数学の勉強の仕方が下手だなあ…と思う人が結構います.

一番多いのは授業のノートを芸術のようにきれいに取って,

それで勉強をしたように思っている人.

確かに家に帰って復習をするときは見やすいのでしょうが,

「先生,どうしてここはこの図形に着目するんですか」

と質問されることがよくあります.

もちろんちゃんとお答えしますが,

『うーん,この部分は板書で3回ぐらい説明していたのに,

 板書をきれいに書くことに必死で

 聞いていてくれなかったんだな』

と感じるのです.

 

みなさんはそんな勉強になっていませんか?