心に残る名講師ー受験生が涙した授業 | 山本先生

心に残る名講師ー受験生が涙した授業

山本が大学受験をする頃は

今のようにいろいろな参考書がたくさんあるわけでもなく,

映像授業ももちろんありませんでした.

 

数学の受験勉強をするのであれば

 数研出版の赤チャートか青チャート(当時は2種類),

 旺文社の寺田の鉄則,

 科学振興社の解法のテクニック

のどれかを使うのが普通で,

しかも今と違って解説がとても少なく

それほど説明がわかりやすくもなかったため,

数学を断念する人も多かったのです.

 

旺文社の鉄則シリーズは

青チャートよりもはるかに解説が詳しいため,

難関大を受験したいが数学が苦手という人は

ほぼ全員が鉄則シリーズで勉強してたかな.

 

参考書は限られていましたが予備校は全盛の時代で

特に代々木ゼミナールは

代々木校の浪人生だけで1万人以上を抱えていて,

駿台や河合塾を大きく引き離した

まさに日本一のマンモス予備校でした.

 

とはいえ

地方の受験生は地元に大きな予備校がないため

大都市圏の生徒が触れる「受験に特化した学習」を学ぶ機会は

めったになかったのです.

 

それを補ってくれたのが

旺文社の「大学受験ラジオ講座」

毎日深夜23時30分から1時間の,

受験生にとって最大の受験対策でした.

 

そのラジオ講座では全教科の授業があり

総勢25人ぐらいの先生方が日替わりで授業されたのですが,

その中で最も生徒の心をつかんでいたのが

東北大学助教授だった数学の勝浦捨三先生.

 

勝浦先生の授業が放送されるときは

授業だけでなく

精神的な支えとなり

毎回心が熱くなるお話があり,

多くの受験生が目を潤ませたのです.

 

山本も勝浦先生の授業は大好きで,

幸いなことに勝浦先生は代々木ゼミナールで

週一回だけ授業を持たれていたので,

夏期講習は500人の大教室で授業を受けた覚えがあります.

(500人教室なんて今では考えられませんよね)