心に残っている生徒ー勉強の仕方を誤った女の子
山本は普段代々木ゼミナールで浪人生と高3生を,
山本数学教室では浪人生・高校生・中学生を教えています.
今からお話しする生徒は
鹿児島から上京して東京で浪人生活をはじめ,
山本数学教室で山本に数学を教わりに来た女の子の話.
彼女は私立の医学部を志望していましたが,
数学も英語もかなり苦手.
でも生物は大好きで,
苦手な数学を何とかしてほしいと
山本の塾を訪ねてきたのでした.
週に1回のマンツーマンの個別指導と
週に3回のグループ制個別指導を受けることになったのですが,
なるほど,確かに数学は全然できない.
河合塾の模試で偏差値は38ぐらいだったと記憶しています.
教科書に書いてある内容は大雑把には理解していても,
公式は正しく覚えていないし,
その公式の使い方も間違えている.
一番の弱点は
基本パターンを正確にものにしていないことでした.
たとえば将棋をするとして,
せめて駒の動かし方(公式の使い方)や,
最低限の守り方=玉を囲んで守る(基本パターン)などを知らなければ,
どんなに思考力があっても正しい思考にはならないし,
無駄な手を使ってしまうのは目に見えていますよね.
つまり将棋と同じで
数学は最低限の基礎知識と,
典型的な基本パターンの習得が最優先なんです.
彼女にマンツーマンの個別指導でやりたいことを聞くと,
「わからない問題を教えてほしい」
と言われて,どの問題か尋ねてみると
なんと東大や京都大・大阪大・早稲田大などの入試問題.
「河合塾の模試で偏差値が38だったら,
まず教科書の内容からスタートして,
偏差値が55にいくための基本を先にやったほうがいいよ」
とアドバイスするのですが,
彼女の希望は超難関大の入試問題の解説を
自分にわかるようにやってほしいと譲りません.
そこで本人が納得するのであれば…と2回だけ
彼女の希望通り東大理系の問題を解説することにしたのですが,
知識も計算力もほとんどないため,
1問の説明に2回の個別指導を使ってしまいました.
これでは効率も悪いし,
このペースでは1学期が終わっても12問ぐらいしか解説できないよと
見通しを話してあげても,
「医学部に受かるにはこれが解ける力をつけないといけない」
「東大や京大の問題が解けるようになれば医学部に受かる力が身につく」
という考えをなかなか変えられません.
実は大なり小なり
多くの数学が苦手な人たちは
自分の勉強スタイルがなかなか変わりません.
基礎力がない➡教科書の1ページ目からやる➡だんだんわからなくなって挫折する
の繰り返しであったり,
参考書Aをやる➡わからなくなると参考書Bを買ってくる➡さらに参考書Cへ
とどんどん参考書が増えても最後までやったものがない
毎日2時間数学の勉強をとり,参考書を10ページずつ進める➡予定通り進まなくなる
しっかりやろうと計画は立てても
数学は分野によって進むスピードも違うし,
完璧主義になると一層参考書は進みが遅くなります.
なので数学が苦手な人は
学校の先生でも数学の得意な先輩でも近くの塾の先生でも,
とにかく自分より数学ができる人に
勉強の進め方を相談することです.