山本とサテラインゼミ② | 山本先生

山本とサテラインゼミ②

河合塾が最初に導入した通信衛星授業サテライトは,

最初教室のカーテンを閉めて

薄暗い映画館のような感じで

スクリーンに映像授業が流れたのだそうです.

 

代ゼミはカーテンを閉めないまま

スクリーンに授業が流れるような映像授業に固執したので

河合塾よりも開発に時間がかかったのでした.

代ゼミの要望を満たすために

Panasonicが開発を担当し,

たしか河合塾の1年遅れぐらいで

代ゼミサテライン授業をオープンします.

 

これは全国の高校や塾に一気に認められて,

英語,国語,社会の通信衛星授業を続々と全国に流していきます.

けれども数学と理科は科目の性質上

映像授業には向かないと判断されて

サテライン授業の講座には含まれませんでした.

 

それでも全国の高校や塾からの多くの依頼があり,

数学は満を持して安田亨先生を登場させます.

安田先生は当時代ゼミにおられて

東大クラスを中心にとても人気のあった先生でしたが,

安田先生の授業の魅力はやはり生の授業が一番で,

映像授業では先生の魅力があまり伝えられませんでした.

 

数年間安田先生によるサテライン授業が続きましたが,

英語や国語のような話術中心の映像授業でなく

数学はどうしても板書中心の授業になってしまうため,

最後まで安田先生の魅力をサテラインで引き出すことができぬまま,

数学のサテライン授業は矢木哲雄先生にバトンタッチ.

 

矢木先生は丁寧な授業と巧みな話術で

サテライン授業に数学が受け入れられるよう,

さまざまな努力をされたのですが,

やはり数学は生徒を目の前にした対面式の授業が最も効果的だという

全国の高校や塾の数学の先生方の意見の前に,

矢木先生の授業もサテラインからは外れてしまったのでした.

 

つづく