いよいよゴールデンウィーク⑶
さて次は浪人生の皆さんへ.
予備校はゴールデンウィーク中も普通にあると思うので,
生活はほとんど変わらないはずです.
でも学習内容自体は今どんどんレベルが上がっていて,
数学であれば予習できない問題が増えていますよね.
また予習➡授業➡復習のリズムも崩れ始めたころです.
浪人生は毎日が教材をやるだけの単調な勉強が続くため,
自分が着実に力がついているかどうかがわかりません.
先生たちは皆さんを毎日指導していて
「ああ,少しセンスが身についてきたな」
「ここの単元は復習はできているが実力はついていないな」
とかすぐにわかるのですが,
おそらく浪人生の皆さんは問題の予復習に手いっぱいで
時間はかかるが身についていない人がほとんどです.
ここで勉強の誤解をしている人が多いので
少し厳しいことを言いますが我慢してくださいね.
浪人が決まって新しい予備校生活が始まると
誰もが来年は合格するぞと思っています.
そのためにみんな気合を入れて予復習をするのですが,
予備校に通ってみると
自分がやりたい勉強をする時間はほとんどとれませんよね.
数学が苦手な人なら
予備校の教材だけでは不安だから
チャート式を1学期中に一回やってもっと基礎を確実にしようとか,
ベクトルが苦手で予備校のテキストの問題が解けないから,
土日に集中的にベクトルを補強しよう
なんて考えていても
現実には予備校の予復習以外何もできていないと思います.
実はね,
予備校のテキストの問題を全て解けるようにする➡合格する
というのは皆さんの希望ではあっても
実際はなかなか合格できません.
合格したい➡ならば最低限予備校の教材はすべて解けること
というのが正しい考えで,
予備校のテキストの問題自体は
合格するための最低限の条件なんです.
予備校の教材は1問にいろいろなテーマや学習事項を盛り込みます.
例えば空間ベクトルで4面体の体積を求める1問の中には,
①平面上にある点をベクトルで同表記するか
②頂点から降ろした垂線の足をどうやって求めるか
③内積の計算はわかっているか
④三角形の面積はベクトルでどう表現するか
⑤平面上の点を係数の和が1を用いるときはどうするか
⑥垂線の足を求めずに体積を求めるにはどうするか
の指導ポイントがあります.
先生たちは教室の中で皆さんの理解力を確認しながら
基礎の①②④を理解させよう とか
①⑤⑥までしっかり教えよう とか
考えて授業します.
なので単にテキストの問題が解けるようになっても
医学部を受ける人には⑤⑥まで必要だけど
授業中別解でそれを紹介しても
皆さんのレベルによってはそれが正しく理解できず,
単にテキストの問題が解けるようになった で
終わってしまうんです.
つまり
予備校の教材はすべて解けるようになった➡合格が待っている
ではなくて
合格するためには➡予備校の教材に含まれる重要事項をすべてマスターし
➡それを他の問題で活用できる力をつける
ことまでできないといけません.
予備校の教材はほんとに中身が濃くて,
浪人した人に欠けている内容を上手にちりばめています.
でもほとんどの人はそれらを深く理解する勉強ではなく
表面上解けるようになったことで勉強が終了します.
医学部専門予備校で合格率が高い予備校というのは,
テキストの予復習だけでなく,
その1問をいかに他の問題に活用できるかまで
マンツーマンの個別指導で徹底して,
それをちゃんと身につけた人が合格してくれているのです.
(だからもちろん正しい勉強が身についていない人は
合格率が高い予備校に在籍していても成果が出ません)
厳しいことを言いましたが
これを読んでくれている皆さんに合格してほしいと願っているので
大きな心で許してください.
さて浪人生のゴールデンウィーク中の勉強ですが,
今まで通りの生活をつづけながら,
自分がやらなければいけないと感じている内容を
勉強するための時間を作り出すことからスタートです.
予復習に追われるのでなく,
自分に欠けていることは自分で考えて
その対策を立てることが
現役生との違いです.
山本の塾に来てくれている浪人生の例で言うと
月~金まで毎日予備校の予復習を着実にこなし,
平日中に一回個別指導に来て
予備校で教わっていることが
先生たちの要求内容まで理解できているかを確認し,
土曜に予備校の内容を応用する練習をして
自分に欠けている応用力の養成を地道に続け,
模試がない日曜は
山本オリジナルの教材で数学のセンスを養成する
というように
来年の合格に向けて
自分ができる最大限の努力をしようとしてくれています.