【サハラマラソン挑戦記 レース前日2】

朝起きると、やはりみんな寒かったみたいで、テントの中は昨晩の寒さの話で持ちきりでした。
過酷なレースはすでに始まっていたのです。

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この日は、レースに持参する荷物をチェックする「テクニカルチェック」を受けたり、日本でとった心電図とドクターの同意書とともに「メディカルチェック」を受けたり。

というか昨日のご飯から水の配給から、これらのどの工程においてもすべて並ぶ…。

テクニカルチェックを済ませた後も、写真撮影のために1時間も並びました…。

荷物を背負って炎天下のなか、ずっと待ち続けるのは一苦労ですが、それでもレース前に暑さでへばっているわけにはいきません!

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そして夕方。
レース主催者のパトリックからブリーフィングがありました。
ブリーフィングとは、レース参加者に注意事項やレースについて説明をすることです。


パトリックはフランス語で話して、隣の女性スタッフが英語に通訳で話すのですが、フランス語が少しだけ分かるため、彼女の適当でいい加減な通訳には久しぶりな感覚を覚えました。

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ただ、この話の中には、僕にとって、とても大事な話しもありました。

このレースには、なんと障害を持った方も参加しているというのです。
荷物を背負って250kmを走るレースを、です。


義足の方、両腕のない方、盲目の方、それに知的障がいを持つ子どもと一緒に参加するチーム…。
衝撃を受けました。


リハビリをしていたり、障害をもっている方に「頑張ってほしい」という気持ちを表現したくて、僕はサハラへ来たのですが、彼らは自らレースに参加している。

ヨーロッパの懐の深さを感じずにはいられない瞬間で、僕は自分がここに来た意味を考えずにはいられませんでした。


次の日から始まるレースのため、みんな21時には寝袋に入りましたが、満月の夜空のなか、僕は自問自答を繰り返しながら、眠りにつきました。

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<続く>