4/21、「田尾下哲シアターカンパニー(TTTC)」主催の、“OPERA ART ACADEMIA 2018”

「劇場が考えるこれからのオペラ公演~求められる才能とは?」

に行ってきました。

 

ゲストは

 

神奈川県民ホールプロデューサーの赤江直美さん

日生劇場企画制作部の福島寿史さん

 

のお二人。

 

田尾下哲さんの進行の下、とても有意義な時間でした。

 

 

 企画・制作のお仕事の概要をそれぞれのホールの起こり理念と共にお話頂き、演出家サイドからのコメントや質問も交えながらディープな話へと発展していきました。

 

僕が痛感したのは、歌手にオファーなりオーディションの告知なりがあるまでに、企画・制作サイドは本当に長い期間、頭も体も、心も総動員して準備をしていらっしゃるということでした。

 

オペラの制作には通常は約3年の準備期間があり、大まかには演目→指揮者・演出家・オーケストラ→歌手という流れで決まっていくのですが、それで制作の方々が最後に扱うのがナマモノの歌手だなんて、難易度が高すぎてドMとしか思えません本当に大変なお仕事です。

 

責任の軽い箇所はどこにもありませんが、それでも、歌手の責任を思わずにはいられませんでした。舞台に上がり、歌詞を音楽に乗せるのは私達の役目なのですから…。

 

 

歌手には、レパートリーというものがあります。声を守る上で、そして舞台でよりよいパフォーマンスをする上で実はとても大切なもので、あまりに自分と(主に音楽的に、しかし演劇的にも)かけ離れた役柄を引き受けてしまえば舞台上での効果が乏しくなることももちろんですが、声への負担も大きくなることが多く、結果的に歌手寿命を縮めることにも繋がりかねません。※もちろん広大なレパートリーを誇る方もありますので、あくまで傾向です。

 

ですから、自分の設定したレパートリーを磨き上げていくわけですが、それがたまたま企画段階で選ばれ、たまたまオーディションが行われたりたまたま自分にオファーが来るのを待つ、そう、お祈りしながら待つ感覚に陥るときがあります。笑

 

なぜなら、先程も書いたとおり

 

演目決定→指揮者・演出家・オーケストラ→歌手

 

という順で決まっていくからなのです。

 

 

 しかしながら、今回のTTTCのプログラム(は全編が企画制作(+演出)サイドの裏話コーナー!みたいなものでした)を通して、歌手にもやはり事前に出来ることはあるのだなと感じました。

 

 

 

まあ

 

元も子もない話ですが、

 

まず、第一にいい歌手であることです。(爆)

 

 

これは田尾下さんからゲストのお二人への質問のような、雑談のような部分で語られていましたので、僕の走り書きのメモ、僕の妄想も多分に含まれていますが

 

企画制作の方が参与や芸術監督と演目を決定する際にも、

その演目にふさわしい歌手がいなくてはいくら作品が良くても公演が成り立ちませんから、必ず頭のどこかには題名役がこの人だといいな〜、ですとか、それがだめなら…と、ある程度候補が浮かんでいないとGO出来ないはずなのです。


日生劇場の福島さんも、具体的な数値があるわけではないが、オーディションをした時にあまりにも応募者が集まらないものを企画してしまえば、キャストを選べないという事態も起こりうるのでそれも気をつけているというような趣旨のことをお話になっていました。


また、オペラの予算と制作についてのお話になったときに、場面数が多いものほどやはりその分お金がかかるということが挙げられました。場面転換が少ない演目の例として、蝶々夫人、サロメが挙げられていました。(だからといって必ず安く済むというお話ではまったくないのですが…)

 

そんなわけで、やっぱり、自分の強みやレパートリーをよく知り、磨きまくり、それを知ってもらっていることが大事なんですねえ(え?知ってた?)。

 

歌手のレパートリー設定の上で、自分の中でボーダーにある作品でも上演回数が多いものや場面転換が少ないもの(←new!)に関しては、常に磨き続けるリストに加えたらいいなあ

 

とか

 

学び続けることと、業界に継続して居続ける努力をすることで、少しずつ自分を知ってもらっていくことが大事だなあとか、レパートリーリストや、参考音源なんかは常に更新していかなきゃだめだなあ。なんてことを感じました。

 

長くなったので記事を分けたいと思います。続く!