TTTCのワークショップの翌日、今度は「記憶法」を学びに参りました(笑)

 

 なんとか効率よく物事を学ぶ方法はないだろうか、などと邪なことを常に考えている僕ですので「記憶法」にはずっと興味がありました。

 

 そんな僕にある日、知り合いのピアニストさんから「アクティブ・ブレイン協会」の会長・小田全宏さんに『第九』の歌詞についてのレクチャーをという依頼があり、『後宮からの逃走』も佳境に入った時期でしたが2つ返事でうかがい、ここぞとばかりに(はやる気持ちをおさえてまずは自分の仕事を果たした後で)色々と質問を投げかけました。

 

 それでは少しだけお見せしましょうと、僕が適当に決めた20個の単語をその場で二度通して読み上げただけで、すべて覚えてしまうパフォーマンスをしていただきました。びっくり!20→1の逆順でも、また任意の数字を指定してもスラスラとお答えになりました。そして、まんまと基礎コースも発展コースも修了したのがここにいる私になります。

 

結論から言いますと、この超常現象のような記憶は、後天的に修得可能なものです。

 

 ベルカントも、恵まれた体躯や声帯を持って生まれてくることよりも、正しくそれを使う技術を学ぶことの方が重要であるように、記憶法もまた、技術なのでした(もちろん訓練は必要ですが)。

 

 もともとの記憶の技法については昔から様々な本が出ているので、若き日の小田会長のように独学でそれをマスターしていくことも可能だとは思います。しかしながら、短期間でそれをくまなくみんなに再現可能にさせるというのは別の問題です。

 

 セミナーにいらした小学生から60代の方までの誰もが、限られた時間内に円周率小数点以下235桁までを覚えるようになったり、記憶法を学びながら自然と、脳がより働く思考環境を作る工夫があちこちになされていたりと、本当に骨太な教育プログラムに練り上げられていて感動しました。興味が出てきたでしょう?

 

 声楽も、作品ごとに歴史や地理や、宗教・宗派や、言語や…挙げていけば無限に知るべきことはあります。もちろん知識を詰め込んだら歌えるようになるわけでも、演技が出来るようになるわけでもありませんが、楽しく学ぶための武器をまた一ついただきましたし、いずれ音楽教育にも深く関わっていくことになるだろう自分の将来を思っても、大変勉強になる体験でした。

 

アクティブ・ブレイン協会HP

https://www.oda-abs.com/