歌うことは、本来とてもシンプルなこと。

 

 

マイク無しで、あらゆるメッセージを音で言葉で会場隅々まで伝えるのには当然ながら専門的な技術は必要で、それをシンプルとか自然にとか言うのには少し無理はあるのかな?

 

それでも、

 

体のいろんな部位の使い方を一つ一つ把握して、

それらが自然に一体になるようにした先には

シンプルで洗練された一致があるはずで

 

まあそんなシンプルさを理想として日々精進しているわけです。

 

 

 

その中で、「メンタル面の改善」が技術面の習熟と同じくらい大切で、かつ改善にはとても時間がかかるものだということをこの20ヶ月を通して気づきました。

 

 

それは「何を良い状態だと思うか」という感覚や知識の更新でもあり、「自分が何に憧れているか」に対して「自分は何者で、何が出来るのか」という己を知る旅でもあります。

 

具体的にはその改善というのは、

 

自分に合ったレパートリーを選ぶことであり

自分の見た目、体格、性格、これまでしてきた体験を含めた自分の持ち物に合ったものを選択していくことでもあり

ときに憧れていた歌手の声や癖と決別することでもあったりすると思います

(自分の癖だけで大変なのに人の癖を加えたら大変なことになる、と先生は口酸っぱく仰います)

 

 

僕と同様声種を下から上へと変更してきた人や

新しい技術で録音されたカッコいいCDを聞き慣れて来た人には

特に起こりうることかもしれないと思います。

あの人みたいになりたい!とあこがれて歌を始めた人も

いつかぶつかることかもしれません。

 

 

はじめからごく自然体でいられる人もいたり(僕には難しいけれど、そういう人が実在するのを知っている)

いつもいいカッコしたり取り繕ってしまう人もいたり(僕だ)

憧れが強いからこそエネルギーが溢れる人もいたり(これも僕だ。過剰だけれど)

 

 

スヌーピーが言うように、僕たちは

自分が配られたカードで勝負するっきゃないのである…

 

 

「出来るはずがない」という心が邪魔をしてしまって前に進めないときもあります。それを解きほぐすには小さな成功を積み重ねてじわじわと当たり前を変えていくしかありません

 

 

自分にとって何かを一定以上に磨き上げていく作業が、いくら全力で取り組んでもこんなにじわじわとしか進まないものなんだなー(だからいい意味で諦めよう)というのが当たり前に思えるようになるのも、メンタル面の改善の一つでもあります。

 

 

焦る自分もまた自分。マイペースにやっていくしか無いのであります。