千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

今日は千葉市議会議員団研修が開催されました。

講 師:カナン株式会社 桂木夏彦氏
テーマ:AI・データを活用したスマートシティの現状と未来
 

講演は非常にわかりやすかったのですが、講演の中身のテーマが多岐に渡っていたため「これがポイント!」という要点をブログに書くのは困難なので、講演メモを軸にお伝えします。

 


①第4次産業革命と超スマート社会“Society5.0”
【社会の進化】

狩猟社会→農耕社会→工業社会→情報社会→超スマート社会(Society5.0)

【超スマート社会】
「現実世界」からIoTによりデータが「サイバー空間」に集積

収集したビッグデータをAIが解析

「新しい価値」が産業や社会にもたらされる

いわば・・・
部分最適→全体最適(Society5.0)

ポイントは・・・
「データ駆動型社会」(データをいかに価値に変えられるか?)
市民サービスの向上⇔職員の業務効率化
(IoT・AI等の技術革新を理解することが不可欠)


②IoT・ビッグデータ・AIとは何か、何ができるのか
 

そもそもIoTとは

IoT(Internet of Things)=モノのインターネット
センサー(イメージ・温度・光・加速度)がデータを取得
無線→無線LAN モバイル通信 近距離通信 LPWA(省電力の技術革新)

既に農業の稲作分野では・・・
自宅からスマートホンで稲作作りで最も重要な水量コントロールをするための「水門を開ける作業」が遠隔でできるところまで来ている。

AI(人工知能とは)
人工知能には2つのアプローチがある。


①脳全体機能の再現を図る(汎用人工知能)
②脳の一部機能の再現を図る(特化型の人工知能)
→現在のAIは②の脳の一部機能の再現をはかる特化型の人工知能が発達

機械学習
「学習させる」→学習済みモデルから「推論させる」→結果出力

特徴量をコンピュータが抽出(自動化)→ディープラーニング
 

欠点は・・・

・大量のデータが必要
・判断の理由を説明しづらい
・完璧な結果を出力するものではない(確率・統計の世界)

技術革新により3つの要素で成果が得られやすくなった
ビッグデータの蓄積×ディープラーニング×GPU(処理能力の向上)
メリット→品質が安定/24時間対応可能/複製可能

「識別」情報の判断/音声・画像認識/検知・予兆(センサー)
「予測」数値予測/ニーズ予測/マッチング
「実行」作業の自動化/表現の生成/行動の最適化

【自治体におけるAIの活用】
①業務の効率化
②事後対応から予測・予防へ
③マス対応から個別対応へ

具体的事例として、待機児童が1000人規模の自治体において、どの児童を保育所に入所してもらうかの選考するために要する時間は非常に長くかかっていた。
 

とある自治体では「10日以上」かかっていた作業が、このシステムを導入したことでわずか「数秒」にまで短縮されたという事例もある。


※保育所の入所選考作業(要望や基準に応じたマッチング)の迅速化

③これからの都市の在り方「スマートシティ」
スマートシティとは
 

街の抱える課題に対して、ICTを活用して全体最適を図り、持続性・QOLを高める都市または地区
 

→最先端なエリアだけでなく、街づくり、都市づくりすべてに関係すると捉えた方が良い。

「質が高く持続可能な都市を実現して行くことが期待されている」

残念ながら国の縦割りは変わらない・・・


データ活用型スマートシティ(総務省)
都市におけるスマートシティ(国土交通省)
道路、鉄道交通等のモビリティ(国土交通省)
住宅等建物の省エネ化関連の事業(国土交通省)

などが講演のポイントでした。

 

これからますます技術革新により超スマート社会に向かうスピードは早まるとは思いますが、自治体が進化するにはまだまだ時間がかかる予感もしています。

 

また、一般的に技術革新のスピードは民間分野の方が早いとは思いますが、その一方で膨大なデータを蓄積しているのはむしろ行政機関の方が有利とも言えますので、蓄積されたデータの活用や、個人情報を守りながらも今後継続的に得られるデータの活用方法を民間の知見も活用しながらより効率的な行政運営に繋げて行くことが求められています。