千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

10月19日から一泊二日の行程で広島県東広島市及び海田町、岡山県倉敷市に伺った。
 

目的は今年7月の西日本豪雨により被害を受けた状況を知るためだ。

特に広島県海田町では豪雨被害の大きかったエリアをまわり、町長からも詳しい話を伺うことが出来た。
 

海田町では人的被害は死亡が1名、重症3名、軽傷1名であったが、家屋被害は全壊14棟、半壊81棟、一部損壊18棟、床上浸水16棟、床下浸水451棟であった。

家屋被害は多く出ていたが、人的被害が少なかった理由は海田町職員による降雨量の推移を的確に見定め、事前に設定された降雨量に達した時点で早めに防災無線による避難勧告や避難指示と、消防団などと連携した住民の早めの避難体制が有効に機能したため、逃げ遅れなどがほぼ無かったとされる。

地震による被害は事前に準備をすること難しいが、今回のような豪雨災害は実際の降雨量のリアルタイムの把握や将来における降雨量予測なども行いやすいため町長として住民に品勧告や避難指示を出すタイミングは判断しやすいという。

ただ、今年の夏は日本列島を複数の台風が直撃したため、仮に早めの避難勧告を連発することで毎回毎回職員に対する負荷が大きくなることや、仮に避難勧告を出しても、それほどの被害にならなかった場合には、住民の中には避難勧告に従わない方も出て来る可能性も否めないと話していました。

その一方で、倉敷市真備町では小田川とその支流の堤防が決壊し、全面積の約3割が浸水するほどの被害だった。
 

特に被害の大きかった川の北側エリアの住民に対して倉敷市が避難指示を出したのは、最初の堤防決壊が確認される約4分前だったという。

そのため、結果的に真備町で被害を受けたのは足が不自由な高齢者など50名以上の方々がお亡くなりになり、そのほぼ9割が自宅の寝室や居間、台所などの1階で発見された。

今回の被災者の中には障害のある方の場合、「避難所」の場所を知っていても実際にその避難場所まで行ったことが無いと、一人で行くことが出来ないというケースもあったようだ。

【山本の視点】
千葉市はその地形から西日本豪雨における広島県海田町のような大規模土砂災害や、倉敷市真備町のような堤防の決壊により死者が出るほどの浸水被害が発生することは想定されてはいない。

しかし、その一方でこれまで経験をしたことの無いほどの豪雨により、実際に大きな被害を出した広島県海田町と倉敷市真備町から学べるのは、事前に作られている避難計画の実効性が、いざ災害が発生した時にどの程度有効に機能していたのかという点も問われている。

地方自治体としては「想定外だった」という事態を出来るだけ少なくすることで防災機能の強化されたり、実際の災害時にも減災につながったりするはずだ。

今一度、千葉市においても現在各地区で作られている「避難所運営委員会」など、各種災害が実際に発生した時にどの程度有効に活用するかを、実効性のある訓練などを通じて検証して行くことが大切だと感じた。


広島県東広島市(河内町)

広島県東安芸郡熊野町

広島県海田町

海田町役場

岡山県倉敷市真備町

岡山県倉敷市真備町

岡山県倉敷市真備町