千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

弘前市では先進的な「公共施設マネジメント」を進めている。
キーワードは「魅せるファシリティマネジメント」だ。

弘前市の保有する公共施設数は500あり、延床面積で見ると全体の48%が
建築後30年を経過している。

また弘前市には弘前城や武家屋敷、明治大正時代の洋館、前田國男設計の建築物などの歴史的、文化的に価値のある建物が数多く存在している。

ちなみに「ファシリティマネジメント」とはアメリカで生まれた新しい経営管理方式のことで、「業務用不動産すべてを経営にとってコストを最小に効果を最大にする最適な状態で保有し、運営し、維持するための総合的な管理手法」と定義されている。
 

弘前市では、公共施設全般に渡り、このファシリティマネジメントが生かされているところがポイントとなっている。

視察は、市議会会議室で説明を受けた後、市役所本庁舎を直接ご案内していただいたので、まずは弘前市役所の本庁舎について報告します。

【弘前市役所本庁舎】
 

弘前市役所の本庁舎は2011年から庁舎の増築と改築を行った。
その際の基本方針は「歴史的建造物として後世に引き継ぐ庁舎」とし、もともとの設計者が近代建築の第一人者である前川國男氏であることから、増改築に際しても前川建築の工法を受け継ぎ庁舎全体の調和や統一感をはかった。

同時に「市民の安全・安心を守る庁舎」として防災拠点として災害時には約3日間の電源確保や容量28,000ℓの受水槽により約6日分の飲料水、中庭部分に仮設トイレの設置など、防災拠点としての整備や、市民防災館を支える建物自体を免震構造などにしている。

予算については国や県からの支出金の活用や返済額の7割が交付税として補てんされる有利な地方債を活用し弘前市の実質負担額は34%に抑え、実質的な金額は23億7,000万円となっている。

【山本の視点】
千葉市役所の新庁舎は未来志向で様々な視点から総合的に勘案した結果「建て替える」という選択をしたが、弘前市における市庁舎は増築と改築が行われ、「歴史的建造物を後世に引き継ぐ」という意思がはっきりと感じられました。

また「この街を将来に渡ってどうする・・・」「この建物を将来に渡ってどうする・・・」という意思と、その実現に向けて最適な手法を選択しているとも感じました。

また新庁舎に「市民防災館」を整備することで市庁舎そのものを防災拠点とする環境整備や、事務室については床をOAフロアにするなど機能向上を図り間仕切り壁を極力設けないことで部署間連携を向上させるための工夫などもあったので、改築でも非常に費用対効果の高い市庁舎になっています。

個人的には、弘前市の考え方はとても大切な視点であると思いますが、千葉市役所の市庁舎は新築が決まっているため、弘前市からの学びのポイントをどのように千葉市の新庁舎整備に活かして行けるかを考えて行きたいです。

「魅せるファシリティマネジメント」についての視察報告は別途ブログに書きます。