千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

8月7日に会派視察で訪問した盛岡市では2つの視察項目がありました。
「盛岡ブランドの推進について」及び「家庭教育の推進について」です。
ということで、本日は「盛岡ブランドの推進について」の視察報告を致します。

そもそも、なぜ盛岡市では「盛岡ブランドの推進」をしているのか・・・
その理由は3つある。

①「地方分権」の時代に入り、東北においても都市間競争が始まっているため
②東北新幹線の延伸で「盛岡駅」が単なる通過駅になってしまうという危機意識
③「盛岡ブランドの推進」は現市長の公約であった

こららの理由により、現在は「第2次盛岡ブランド計画」が進められている。

キャッチコピー

「もりおか暮らし物語」
 

ロゴマーク

「盛岡ブランド宣言」(2つ制作)

4つの物語として展開
盛岡ブランドを具体的に進めるために4つの物語(視点)として展開をしている。


①自然と暮らしの物語
北上川/中津川/岩手山/歴史的建造物

②暮らしと伝統の物語
南部鉄器、盛岡わんこそば、南部煎餅、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺、地酒、

盛岡りんご(りんご発祥の地)もりおか短角牛、津志田芋などがある。

③先人と文化の物語
先人:原敬、新渡戸稲造、石川啄木、宮沢賢治などがおり、高校生短歌甲子園(石川啄木に縁がある)や「盛岡さんさ踊り」(4日間で133万人/歴史としては40年)が有名、他に盛岡文士劇(市民主体の演劇)などがある。

④人と人を紡ぐ物語
開運橋/ふるさとガイドツアー/盛岡わんこそば

【推進戦略の策定】
第2次盛岡ブランド計画において、新たに「推進戦略」を設けることにした。

盛岡市民や事業者に対して「盛岡ブランド」をしっかり理解していただくこと。
「盛岡ブランド」についての意識共有に加え、SNS(フェイスブック、ツイッター、
インスタグラム等)で発信力を強化してもらうための取り組みを始めている。

【人員体制と予算規模】
人員体制:都市戦略室:4名、地域おこし協力隊:2名
 

年間予算:340万円

・広告宣伝業務委託200万円(主に写真素材の収集業務など)

・昨年は動画制作を実施
・市民推進委員会「盛岡ブランドフォーラム」運営、市民からの企画提案に各20万円を3団体への助成
→採択されたプロジェクト:能楽の魅力、高松の池(1周2キロの地域イベント)、フォトフェスティバル

【外国人宿泊客数の推移】
震災前約10,000人→震災後約5,000人→現在約30,000人となっている。

→まだまだ伸びしろがある

【課題と対策】
東北新幹線が開通して利便性が高くなったため、日帰りで盛岡市を来訪する方が増加した。その結果、特に日本人の盛岡市ににおける宿泊者数が減っている傾向がある。

限られた予算の中でホームページやフェイスブックなどのSNSによる発信は実施しているものの、アクセス数は予想ほど伸びていないため、市民推進委員会の委員からも「やっているうちに入らない」との指摘も受けているため、限られた予算で効果的な発信手法を検討している。

また「移住・定住者向け」を対象に、新しいサイトを作る予定があり、盛岡市への来訪者を増やし、ふるさと納税も増やす効果を狙っている。

【山本直史の視点】
最近は多くの自治体で「差別化」「ブランド化」戦略を軸に地方創生を進めており、千葉市においても都市アイデンティティ戦略を進めている。

しかしながら、誰もが納得できるほど、明らかに大きな効果を上げている自治体はまだ少ない。

効果を上げることが難しい理由は、差別化やブランド化を進める際には行政側の旗振りだけではどうしても盛り上がりに欠け、効果があがりにくいという構図がある。

理想的には市民や観光関連の事業者など、民間セクターも一緒にビジョンを共有した上で、それぞれの方々がそれぞれの立場から積極的に関わることが求められる。