千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。
 
~平成28年第4回定例会(一般質問)~
【新時代の無料低額宿泊所について(3回目意見・要望)】

 

無料低額宿泊所について意見と要望を申し上げます。

 

私が言いたいことは、生活保護受給者が増え続けていることを「仕方ない」とあきらめるのではなく、特に現在生活保護を受給されている「その他世帯」と言われている方々の中で、まだ働ける年齢で、健康で元気な方には、さまざまな支援策を講じてでも、自立に向けた強力な支援をすることが大切だと考えています。

 

仮に、本当は働けるのに働かないで生活保護を受給している人がどんどん増えたら、本当に社会全体がまわらなくなります

 

しかし、現実は、一度無料低額宿泊所に入所すると、今度は逆に自立するのが難しい構図になっています。

 

それは事業者にとってみれば、生活保護を受けている入所者を自立させることは、自らのお客さんを減らしてしまうことになるために、自立に対してインセンティブは働かず、結果的に入所者を囲い込むことによる、貧困ビジネスの温床にもなりかねません。

 

私は、それを何としても止めたいわけです。

 

だからこそ、生活保護を受けながらも本気で自立を目指す強い意志のある、いわば生活保護者の中のエースには、自立しやすい環境を整えてあげたいわけです。

 

その一方で、千葉市の市営住宅は政策的に、「648戸」を空室にしてあるわけです。


もちろんすべての空き室がすぐに使える状況にはなっていないとは思いますが、行政の判断で政策的に空き家にしている戸数が648戸あるというのは事実です。

 

その一方で現在、市内の「無料低額宿泊所」や、その「無低もどき」と言われる施設に入所している方が、今年の4月1日時点で1959人いらっしゃいます。

 

入所されている方の中には、本来は3か月から1年を目途に自立をしていただく目的のある施設に、最長の方で15年以上も入所されている方もいらしゃるわけです。

 

これは、「仮」の話ですが、この無料低額宿泊所や無低もどきに現在生活保護を受けながら暮らしている1959人の中で、「自分は何としても自立したい!」という意志をお持ちの方が、仮に648人いらっしゃれば、その希望者全員を今の市営住宅の「政策空き家」に住んでいただいたとします。

 

そうすると、これまでは生活保護費の住宅扶助から毎月無料低額宿泊所や無低もどきに「家賃」として支払われている住宅扶助費(約41,000円j)が、今度は千葉市の市営住宅使用料として千葉市に入ってくるお金の流れになります。


これをざっくりと計算すると、648戸×月額41000円では、毎月約2600万円になります。

それが1年間では2600万円×12か月=3億円を超える金額になります。

さらに、それが5年間続けば、3億円×5年間=15億円になります。

 

つまり、千葉市が政策的に空き家にしている市営住宅に、現在無料低額宿泊所や「無低もどき」と呼ばれるあまり環境のよろしく無い施設にしている方が、それぞれの意思で市営住宅へ引っ越しをすれば、5年後にはその分だけで新しい市営住宅を1棟建設することも可能になるほどの市営住宅収入が入ってくるという計算も成り立ちます。

 

つまり、これだけの金額が生活保護の住宅扶助費を原資として、無料低額宿泊所を運営する事業者の「収益源」になっているわけです!

(仮に自立する意思ある生活保護受給者を、あえて自立させないように、悪意を持って囲い込んでいる施設があるとすれば、それは第二種社会福祉事業という名を借りた貧困ビジネスに他なりません)

 

千葉市はまだまだ財政状況が厳しいと言われています、さらに中長期的には人口減少が加速し、超高齢社会に突入するためさらなる財政重要が高まることは明確です。

 

その一方で、少子化が加速するため、社会全体を支える生産年齢人口が増えないため、行政サービスを維持するために、あらたに借金をして財源を確保するか、思い切って一部の行政サービスをカットするか、増税する以外に道は無くなってくる状況になるわけです。

 

だからこそ、縦割り行政を打破して、今ある資源を最大限に活用して、民間に任せられる分野は民間に任せ、自治体だけで公共を担うのではなく、民間との協働によって「公共サービス」を提供する仕組みを構築する必要がありますし、それが出来れば、結果的に「最少の経費で最大の効果を上げることの出来る自治体」になります。

 

そのような自治体では必然的に夢と希望を持って自ら動き出す自立型人材が増え、その結果としてタックスイーターよりもタックスペイヤー増えることで、自治体としても持続可能な運営が可能になると考えています。

 

ということで、私はこの千葉市がそのような、新しい時代を切り開くモデルとなるような都市になること目指して質問を終わらせていただきます。