千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。
 
~平成28年第4回定例会(一般質問)~
【新時代の無料低額宿泊所について(2回目)】

 

正直申し上げて、生活保護を受けて無料低額宿泊所に入所されている方に対すする「自立支援の取り組み」が消極的な施設もかなりあるように感じます。

 

施設側が入所している方をハローワークへ送迎することや、求人情報を提供することなどを行っているところもあるようですが、私から言えばそれは当たり前で、問われているのは「どれだけの方が自立し、生活保護から脱却できたか」という効果なのですが、残念ながらあまり効果が上がっていないのが実情のようです。

 

無料低額宿泊所を運営している施設側からみれば、入所者はいわばお客様ですから、自立して宿泊所を退所した場合には、定員が一人減るわけですから、またどこからか新しい入所者を連れてこなければならないため、結果的に「囲い込み」のようなことをしている施設は、なかなか積極的な自立支援はしていないだろうと思います。

 

しかし、国の通知や市のガイドラインによれば、無料低額宿泊所は、生活困窮に陥り、施設に入った人の「自立を支援すること」が目的の一つです。

 

千葉市も人員不足によりケースワーカーのきめ細かな支援が難しい状況下では、やはり無料低額宿泊所が積極的に自立支援に取り組んで行く事が必要なのだと思います。

 

また、施設に入所されている方の背景は様々で、高齢者や障害のある人、刑務所から出所した人などもおりますが、みんなそれぞれ強みがあり、それぞれに合った自立支援を行っていく必要があります。

 

その人たちが、それぞれに合った支援を受け、それぞれの強みを生かして、仕事を通じて自立することが、結果的に1億総活躍社会の実現に近づくと考えています。

 

私は、すべての無料低額宿泊所が一律に自立支援を強化していくことは、現実的には難しいと考えておりますが、逆に自立支援に向けた取り組みを強化している施設、いわば「やる気のある施設」は、積極的に応援するべきだと思います。

 

無料低額宿泊所を事業として行う場合には「許可制」ではなく、「届出制」という仕組みとなっているため、税金を使った経済的な支援は難しいと思いますが、例えば、入所しようとする人に、先ほど答弁していただいた就労支援した人の比率を情報提供することで、自立支援の観点から「施設を選べるように」するなど、何らかの後押しをするべきだと思います。

 

【質問①】

何かの事情で生活困窮に陥り、一度は無料低額宿泊所に入ったとしても、施設が個々の入所者の状況に応じた自立支援を積極的に行い、多くの人が短期間で自立していくこと、そのことが周囲に認められ、「あの施設に行けば自立できる!」と思われるようになる、それが地域でも認められ、地域に溶け込み、それによってヒトやモノが施設に集まり、さらに自立が促進される・・・

 

このような流れを作る拠点が、新時代の無料低額宿泊所の在り方ではないかと思いますが、当局の見解をお伺いいたします。

 

【答弁:保健福祉局次長】

やる気のある無料低額宿泊所を応援し、自立支援を積極的に行う施設が増えることについてですが、無料低額宿泊所が積極的に入所者の自立支援を行うことは、施設の目的から望ましいことであり、立入調査などでも自立 支援の強化について指導するとともに、本市としましても、被保護者就労促進事業の就労支援員を無料低額宿泊所へ派遣して、キャリアカウンセリングを行うなど、入所者の自立支援に向けた取組みを進めているところです。


なお、やる気のある施設への後押しという視点は、自立を促進していく上で有効であると考えますので、今後、相談者が状況に応じて施設を選択しやすくなるよう、情報提供の方法や内容を工夫するなど、届出制という仕組みの中で実現できる方策を検討します。

 

 

加えて、もう一つ別の視点からお伺いいたしますが、現在市営住宅には648戸が政策的に空けてある、政策空き家となっています。

 

私はこの政策空き家や、市営住宅の中でも人気が低く、応募者のいなかった住宅を、一定のルールを定めて、これから生活保護を受けようとしている生活に困窮されている方が、結果的に無料低額宿泊所に入居せざるを得ないという流れを、どこかで止めるために活用することは出来ないのかを考えています。

 

というのは、先ほどの答弁では、市内に住所が無い人には、今のままでは市営住宅に入居出来ない決まりになっています。

 

一方で社会援護課の窓口に生活保護を受けるために相談に行くと、「まずは住居を確保してください」と言われるわけです。

 

だからこそ、無職で、わずかな現金しか持っていない生活困窮者でも契約できるアパートは多くない、だから、結果的には無料低額宿泊所、もしくは無届の施設に入居せざるを得ないというのが実情です。

 

しかし、一時的に経済的に困窮しているものの、本人は早期に就職をしたいと考えている方もいます。

 

その様な方には、ちゃんとした住居を確保して生活環境を整えることでスムーズな就職につながり、早期に生活保護を廃止出来る可能性が高いわけです。

私はこのようなケースを支援したいわけです。

 

これで短期間のうちに就職して保護廃止になれば、ある意味で保護者の中のエリート、憧れの存在になるわけです。

 

「カッコいい」「俺もあの人のように自立したい!」という方の目標になるわけです。

 

【質問②】

そこでお伺いいたしますが、例えば生活保護を所管する社会援護課と市営住宅を所管する住宅整備課が相互に連携し、稼働年齢層の生活保護受給者の中でも、特に早期に自立しやすい方のみを、期間を限定して集中的に自立支援をすることを目的に、市営住宅に入居するようにすれば良いと考えられますが見解を伺います。

 

【答弁:都市局長】

集中的に自立支援をすることを目的に、期間限定で空き家を活用することについてですが、
市営住宅事業は、生活困窮者のための住宅供給と、入居については、公平性の確保が大原則であり、そのために様々な入居条件を定めておりますが、空き家解消、また、歳入確保の観点などから、生活保護受給者の自立支援という目的に向け、今後、福祉部門とともに検討します。