千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

 

~平成28年第4回定例会(一般質問)~​
【行政改革について/意見・要望(3回目)】

 

行政改革については先ほどいろいろと踏み込んで質問させていただきました。


・庶務事務についてはアウトソーシングを検討する。


・市税事務所の業務については滞納者に係る調査対象者の拡大を検討し,窓口業務についても委託範囲の拡大を検討する。


・建築行政に係る窓口業務については「建築関連総合窓口」を設け、建築関連情報の一体的なインターネット公開についても準備を進める

 

・環境保健研究所については民間の検査機関でも対応可能なものについては積極的に委託化を検討し業務の選択と集中を進める

 

との前向きな答弁をいただきました。

 

このように千葉市の「行政改革」については確実に進んでいることは間違いありません。

 

ただし、今回提案させていただいた「働き方改革」については、地方公務員法の規定があり難しいとのことでしたが、市役所全体で仕事のやり方を工夫し、生産性を高める取り組みを進めることで、時間外勤務の縮減にもつながると考えております。

 

SCSK株式会社では残業時間が増えるごとに、その時間数に応じて決裁権限が変わるそうで、この仕組みが非常に効果を上げているそうです。

 

ホームページ→https://jinjibu.jp/article/detl/tonari/1347/

 

20時間までは課長が決裁し、40時間までは部長が、40時間を超えると本部長の決裁が必要となります。

 

さらに残業時間が月に80時間を超えると、今度は社長が決裁をするというものです。

そうなんです!社長決裁なのです。(ちなみに同社の社員数は1万人超)

 

当然、決裁をする場合、社長は、本部長に「なぜ?80時間を超えるの?」と聞くことになりますから、今度は本部長が部長に「なぜ?60時間を超えるの?」と聞くことになるわけです。

 

さらに、今度は部長が課長に「なぜ20時間を超えるの?」と、その状況を把握するために聞くわけですから、いわば組織全体で出来るだけ残業を減らすための働き方へとシフトさせ、組織として生産性が上がる仕組みが機能しています。

 

さらに課内に、残業を減らすための仕組みとして「くじ引き」で「スマチャレ係」(スマートワークチャレンジ係)が決まり、その係は課内で残業する予定の人に対して、その残業は本当に必要なのかを聞いてみたり、場合によっては残業を指示する上司側に対して、残業を何とか減らせないか?と、いわば「食い下がる仕組み」なっているわけですので、大きな効果が出ていると聞いています。


その結果として、仕事に質が高まり生産性が高まる仕組みとなっています。


また、SCSK株式会社はこれまで会社が「残業代」として支払っていた費用の100%を、今度は「残業を減らす」ためのインセンティブの「原資」として確保し、組織全体として残業を減らした分だけ、全員にインセンティブを支給するという、逆転の発想で改革を進めました。

 

企業は増収増益で、生産性が大幅に向上し、従業員の所得も向上するという効果を生み出したわけです。

 

先ほどの答弁では、地方自治体ではなかなか実現するのは難しそうではありますが、参考に出来る部分だけでも実現に向けて検討していただければと思います。


また、行政改革ついての「会計審査事務」については要望を申し上げます。

 

まずは、新たな財政会計システムの構築に合わせて、審査事務処理を一から見直すという事と、各局の主管課による「審査ルート」を廃止して、迅速化を追求しているという点は非常に評価したいと思います。

 

そこで一つ提案があります。
現在の審査業務は、熟練の会計担当による、いわば職人的なノウハウによって支えられている側面がありますので、一人前の会計担当になるためには一定の習熟期間が必要とされていますが、逆に、会計における「審査手順の画一化」を極めることが出来れば、「審査業務」そのものを、市の職員でなく民間にシフトすることもできると思います。

 

財務会計システムのセキュリティポリシー的に、市役所外に情報が洩れることを懸念されるかも知れませんが、例えば市役所庁舎の一角に民間委託の「事務センター」を設置することであればクリアできると思いますので、是非とも実現に向けて検討してください。


【山本直史の視点】
少子高齢化加速することによって一体何が問題になるのかというと、市役所における財政問題に限定してみると、福祉や医療などに使われるお金(予算)が増える構図になっているということです。


これがかつてのような右肩上がりで経済が順調に成長し、人口も増えていく時期であれば、お年寄りに向ける負担が増えようが、税収が増えることで十分に吸収できるわけですが、「少子化」というのは、いわば市役所に税金を納めてくれる人が減るという構図にもかかわらず、逆に市役所からお金を払わねばならないサービスが増える構図というわけです。

 

そのような状況下でも「最少の経費で最大の効果」をあげるには、全体最適の観点でやらなければなりませんが、市役所の仕事はどうしても「縦割り」になっているため、残念ながら部分最適となっていることは否めません。

 

人口減少のスピードが加速し、これまでのやり方では対応することが難しくなる前に、先手先手で市役所業務の進め方を見直し、一人ひとりの生産性を高めるための取り組みを進めるべきだと考えています。