千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。
 
視察報告を致します。
昨日は徳島市における現地視察が2件でした。

①徳島市中央卸売市場
②ふれあい健康館(徳島市障害福祉センター)
 
今朝は「徳島市中央卸売市場」の現地視察に関する報告を致します。
 
徳島市中央卸売市場(開設:昭和48年2月13日)
 
【青果部】
卸売業者2社、仲卸業者30社で74,000トン、192億円
【水産部】
卸売業者2社、仲卸業者10社で41,000トン、264億円
【職員】
12名+嘱託職員3名体制
【概況】
事業者数:88社、取扱数量:115,000トン、取扱金額456億9,000万円
 
四国最大の市場となっており、立地的にも大阪に2時間の距離にあるためこの市場を通じて半分が徳島県内、残り半分の大部分を関西圏へと供給している。
 
この徳島市場の特徴として、特に夏には京料理に欠かせない「鱧(はも)」をほぼこの徳島市場から京都へ出されているだけでなく、サツマイモの鳴門金時も大きな取り扱いになっている。
 
市場開設から44年が経過しているので老朽化が進んでおり、耐震検査を行ったところ「耐震補強を要する」との結論が出たため、今後の方針を建て替えか、補強かの判断を行うにあたり88社の卸売業者及び仲卸業者に個別でヒアリングを行っている。
 
現状では仲卸業者が廃業などを理由に撤退した場合でも、他の事業者がすぐに借り手が
つくような状況となっている。
 
これまで、場内の各事業者は「施設利用料」や「電気代」などを滞納したことは一度もない。
その理由は場内にある四国銀行と阿波銀行との「口座開設」を必須としているため、一般的に運転資金や設備投資の借り入れなどを行っている銀行に対する「信用」を守りたいという事業者側の意向があるのではないか。
(→千葉市の場合は過去に同様な料金の支払いを滞納し、廃業した事業者もある)

徳島市としては市場開設者であるので、市場の環境を整える側であり、実際に市場の
活性化に寄与しているのは、卸売業者と仲卸業者が中心となって動いている。
 
近年は水産部が、場内の電灯を白熱電球からLEDに切り替えたことで、年間の電気代が60%削減につながったため、投資額の1600万円も年間の電気代削減分(400万円)で計算すると約4年で元を取る取り組みを事業者のリスクで行った。
 
以前(20年前)に一度だけ市民サービスの視点から「市場」を一般市民に開放したことが
あったが、市内の小売業者からの反発が大きかったので、それ以来行っていない。
 
【山本直史の視点】
この徳島中央卸売市場は、比較的他の市場に比べてセリによって価格決定が行われている
比率が高い市場で、確実に徳島県の台所となっており、取り扱い量の約半分が徳島県内向けで、残りの半分のうち、約8割を関西圏に出しているため、人口と市場機能のバランスが取れていると感じた。
 
一方で、千葉市地方卸売市場では、青果物も水産物も他の市場との競争が激しくなっている
だけでなく、「市場」を通さない、市場外流通が大きくなってきているため、結果的に「市場を
通すことのメリット」が打ち出せないという悩みを抱えている。
 
この徳島市中央卸売市場も、今後大きな設備投資をすれば、それは事業者からの使用料収入を充てる必要があることから、どちらにしても「市場」の取り扱い高を増やすための努力を
継続して進めているものの、この徳島市中央卸売市場のすぐ近くに、千葉市に本社のある日本一の小売業が大型のショッピングモールを建設する予定となっているそうなので、これは千葉市だけでなく、今後は徳島市にとっても「流通の多様化」という時代の変化に対していかに対応して行くのかということが問われている現状であることを理解した。
 
これは千葉市や徳島市だけでの問題ではなく、地方自治体の開設する「卸売市場」の未来のあり方について、いかに時代の変化に的確に対応し、未来展望を描くことが出来るかについて、専門家などの意見を聞きながら、一定の「解」を導き出す必要があると感じた。