千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

 

昨日から今日にかけて千葉市議会議会運営委員会による視察だった。
視察先は山形県議会及び宮城県議会で、視察項目は下記の通り。


【山形県議会】
①議会運営の見直しについて
②知事への政策提言について
③高等教育機関との連携について

 

【宮城県議会】
①東日本大震災を踏まえた議会対応について
②新教育長の任命について


【視察報告~山形県議会~】

議会本来の役割は執行部に対するチェック・監視機能ではあるが、それとは別に山形県議会は「縦割り」とは異なるいわば「横ぐし」の委員会として「政策提言型」の特別委員会を3委員会設置している。

 

特別委員会はそれぞれの委員会が国が進めている地方創生戦略を具体的に「まち」「ひと」「しごと」それぞれの視点から政策提言する目的となっているためそれぞれの特別委員会が地方創生に関する施策を知事に対して提案することを目的として設置している。

 

ちなみに、その3つの特別委員会とは下記の通り。

 

・子ども支援対策特別委員会(ひと)
・安全・安心対策特別委員会(まち)
・産業振興対策特別委員会(しごと)

 

この特別委員会が開催されるのは年に8回程度(年4回開かれる定例会の会期中に1日、及び定例会以外の日程で年間4日程度)とのことだが、常任委員会とは異なり、特別委員会として取りまとめたものを知事に「政策提案」をするというプロセスは、現在の千葉市議会では実現していない。


また、既に議会から知事に出している提言は「38項目」に上っているが、その提言が実現に向けて動いているのかどうかを検証することが大切との判断から今年度から、昨年度に提出した提言項目に対するフォローアップを開始している。

 

山形県議会の会派構成はほとんどが自民党であるが、現在の山形県知事は選挙の際に自民党が推薦した方ではないため、知事と議会との間で心情的なねじれ状態になっているように感じている。

 

これは推測の域を出ないが、この3つの政策提言型の特別委員会が設置されたのは、議長の熱意もさることながら、議会として知事に対して「政策提案をする」ことで議会の権能を強化させたいという一人ひとりの県議会議員の想いがあったのではないかと感じている。


ちなみに山形県議会では慣例で議長任期は2年、副議長任期は1年となっている。

 

【山本直史の視点】

特別委員会設置の目的を単なる「調査」に留めるのではなく、「政策提案」を行うことを目的としているところに大きな意義を感じた。

 

ポイントは「特別委員会としての政策提言」というところだ。

つまり、各会派単位で知事に対して「要望」することは通例であるが、異なる会派が集まる「特別委員会」の場で意見集約をはかり知事に政策提言することが出来れば、提言を受け取った知事側も重く受け止めざるを得ないと感じる。

 

同時に、提言しっぱなしにするのではなく、政策提言した内容の反映状況などの進捗管理を行うことで、次第に効果が出てくるのではないか。

 

また、地方創生戦略に基づいて「まち」「ひと」「しごと」という視点で「横ぐし」のテーマ設定がされていることは非常に価値があることだと感じている。

 

千葉市議会も常任委員会の機能強化や議会基本条例の制定に向けて議会改革を進めているところではあるが、山形県議会を見習って「横ぐしテーマ」による「政策提言を目的とした特別委員会」の設置について、個人的には前に進めていくべきだと考えている。