千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

新しい東京都知事には小池百合子氏が他の候補を
圧倒的大差で破り当選を果たした。

そこであらためて今回の都知事選挙について僕なり
の分析と、今後の展開についても考えてみたい。

今回の選挙戦において小池氏はいわゆる
「後出しじゃんけん」では無く、表現として適切か
はわからないが、本来であれば不利になり得る
「先だしじゃんけん」方式で圧倒的な有権者からの
支持を集めて勝利を収めたわけだ。

小池氏は現職衆議院議員の座を投げ打って、また、
自らが所属していた政党の推薦を受けずに真っ向勝負
で挑んだ戦いに与党である自民党と公明党は負けた
ことになるのでこれまで都議会与党として大きな力を
持っていた側のショックは相当なものだろう。

現在の東京都議会の定数127名。

それに対して都議会与党である自民党+公明党では
過半数を優に超える79議席を占めているのだが、その
都議会与党が推薦した増田氏が惨敗したという結果は、
現時点においては当選した小池新知事は都議会全体が
「野党」という前提で都政運営をすることになる。

圧倒的な得票差で小池氏が当選したものの、現在の
都議会勢力では依然として圧倒的な力を持っている
のが自民党と公明党なので、小池新知事にとって
は自公議員の「賛成」が無いと自らが目指す政策が
一つも実現しない構図であることは変わらない。

つまり、今後は都議会における自民党と公明党が議会
の「議決権」という絶大なブレーキ力をどうするかが
問われることになる。

まずは小池新知事が自らの政策を前に進めるために
置くことの出来る「副知事の人事案件」がスムーズ
に都議会を通るか通らないかが試金石になるだろう。

個人的には、選挙結果がここまで大きな差まで開くと、
むしろ自民党と公明党のこれまでの議会与党側が小池
新知事側にすり寄る可能性もあると考えている。

個人的には自民党東京都連の今後の動きに注目している。

それは、選挙に入る前に自民党都連として増田氏以外の
候補を応援した場合には場合によっては「除名」という、
有権者にとってはまったく共感の得られないいわば脅し
とも取れる戦略が裏目になったことの責任をどのように
取るのかということだ。

増田氏以外を応援していた自民党所属の議員に対する
処分をどうするのか?という「けじめ」をどうつける
のかも問われている。

その一方で、今回の都知事選挙は民進党などの野党に
とってもショックが大きいだろう。

本来、この選挙が行われることになったのは舛添前
知事が任期途中で辞職したからで、そのような知事を
前回の選挙で擁立したのが自民党と公明党であったた
めに今回の選挙では民進党が軸となって野党統一候補
として勝てる候補者を擁立出来ていれば、選挙戦に
勝てた可能性もあると考えていた。

しかし、どうもパッとしなかった。

鳥越氏の出馬にもドタバタ感があり、同時に鳥越氏には
「これからの都政をどうするか」という明るいビジョン
と具体的政策が練られていない印象を受け、さらには
週刊誌における過去のゴシップ記事が出たことに対する
対応や、公開討論会やジャーナリストの池上彰からの
直接質問に答えないという「逃げた」印象を持たれた
ことも敗因の一つだろう。

これは鳥越選挙対策本部の戦略ミスとも言える。

構図上では舛添前知事が「政治と金」の問題で辞任した
という、与党にとっては厳しい選挙であるだけでなく、
選挙の構図も結果的に与党側が分裂選挙になっていたにも
かかわらず、まったく得票が伸びなかったという選挙結果
は与党側よりも民進党側の方が厳しいかも知れない。

これまでのように、どこで誰が決めているのか見えにくい
都政運営を「大胆に刷新する」と公約に掲げ、圧倒的大差
で当選を果たした小池新知事の手腕に大きく期待したい。