千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

民主党と維新の党が一緒になり、野党統一候補の擁立は実現
するのであろうか?

参議院選挙は約5か月後の7月に行われるのだが、野党各党は
この選挙に間に合うように野党間の連携を
進め、自公政権に
対峙できる、野党統一候補の擁立に
向け水面下ではいろいろと
動いているように見えるが、
その実現には黄色信号が灯っている
ように見える。

そもそも野党と言えども政党要件を満たす「政党」が誕生するには、
相当大きなハードルがある。

候補者は、有権者から選挙で選ばれ、当選することで初めて「議員」に
なるが、その議員も1人よりも10人、
10人よりも100人が束になって
「政党」として動く方が
大きな政治勢力になる。

その候補者には政党側が「推薦」や「公認」を与え、さらには選挙を
さまざまな角度から応援をすることで
候補者が当選した後には
その政党に所属して行動する
というのが一般的な流れだ。

だからこそ、政党が候補者を「公認」する場合や、逆に候補者が政党から
「公認」を受ける場合には、当然その
判断基準は「目指すべき社会像」や
「理念」があり、それを
共有できるからこそ「政党」となる。

世の中にはいろいろな立場の方がや多種多様な意見があるなかで、
「目指すべき社会のビジョン」を掲げ、
多くの有権者から支持された議員が、
今度は政党に
所属する中で多数を形成し意見集約をしながらその実現を
目指すというプロセスになる。

だからこそ、特に新しい政党が誕生する場合、「何を目指して結集するのか」
という理念が極めて
大切で、その基本的なビジョンや「理念」がしっかり
共有できない人々が数合わせでグループを作っただけでは野合と言われても
仕方が無い。

読売新聞の報道によれば

【↓以下報道】

維新の党の3日の両院議員懇談会で、解党した上での新党結成に
慎重な姿勢を崩さない民主党への不満が噴出した。

維新の井坂信彦衆院議員は「民主党の議員が体質を変えて、新しい
野党を作る気持ちがあるか疑問だ。何も変わらなけ
れば泥舟に乗る
話だ」と述べた。

夏の参院選で改選を迎える柴田巧参院議員は、「この時点になって、
どういう立場で参院選を迎えるかはっきりしない
のは遺憾だ。1週間
くらいで結論を出してほしい」と述べ、
維新の松野代表に民主党の
岡田代表との新党結成協議の
加速化を求めた。

維新側は民主党の党名変更も求めているが、民主党の岡田代表は
3日夜のBS番組で、「民主党に誇りを
持っている。党名を軽んじて
支持者が納得するか」と
否定的な考えを示した。

【↑以上報道】

と、報道されている。

このように、そもそも野党統一候補が実現する前段の話として、野党
第一党の民主党と維新の党が一緒になる話が
出ているが、それぞれの
政党の思惑が見え隠れし、とても
ちぐはぐな印象を受ける。

最初からこのつばぜり合い的な「ちぐはぐ感」があるものは仮に
「一緒になる」ことを成就出来たとしても、その後に
いろいろな場面で
影響が出て来るだろう。

そもそも、先の総選挙の時点で、野党各党は必ずしも小選挙区では
戦っていなくとも、政党としてはしのぎを
削っていた、いわばライバル
同士なので、特にそれぞれの
政党を支持し、支援している有権者から
見れば、少し前に
激しく戦っていた政党所属の候補者同士がサササーッと
同じ政党になることに違和感を覚える人も少なくないはずだ。

さらに言えば、維新の党の松野代表を含め、もともとは民主党所属の
議員であったのに、その時の執行部とは
意見が合わないから出て行った
人が、再度一緒になる話
なので複雑に見える。

維新の党としては、単純に民主党に合流するのではなく、新党結成を
望むのも理解できるし、民主党側ととしても、
何でわざわざ解党して
新党にする必要性があるのかと
考えている議員も多くいるだろう。

そして今回の報道の中に次のような発言があった。

維新の党側からは

「民主党議員の体質が変わる必要」
「このままでは泥舟に乗る話」
「結論を1週間くらいで出してほしい」

民主党側からは

「党名を軽んじることは出来ない」

それぞれの政党の議員からこのような言葉が報道された以上、今後は
どちらかが折り合いをつけないと、合流であっても、
新党であっても
「一緒になる」こと自体が難しくなることが
予想される。

仮に両党が一緒になったとしても、その先には両党以外の野党と連携して
「候補者の一本化」をするという、とても
大きな調整が待っている。

それだけに「野党統一候補の擁立」という視点で見ると、7月の選挙が
迫れば迫るほど、改選期の議員や、既に
参院選を見据えて準備をしている
候補者にとっては
戦うための準備が整わない状況が続くことになる。

さらに仮に「野党統一候補」が誕生しても、いよいよ参議院選挙本番に
突入した際に、その「野党統一候補」が
自公政権に対して訴える明確な
ポイントは何なのか、
単に与党を批判するだけでない、具体的な政策
提案を、
例えば「共通マニフェスト」として有権者に示すことが出来るのか
という課題も残る。

僕の立場からいろいろな可能性を指摘するのも変だが、野党が一緒に
なるのに枝葉末節の議論ばかりであまりに
時間がかかったり、その後に
野党統一候補を誰にするかで
また揉めたり、すったもんだがあれば
あるほど、決して
野党統一候補にとって有利になるとは思えない。

そんな野党各党間の連携や調整がつかない時間が長引く間に、突然
安倍総理が伝家の宝刀「衆議院解散総選挙」を決断して仮に参議院
選挙とのダブル選挙になったら、こは野党各党に
とって大打撃になる
ことは想像に難くない。

果たしてこれからどんな展開になるのか注視したい。