千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

【地域包括ケアシステムについて】~第4回定例会代表質問~

超高齢社会を迎え、わが国では、たとえ要介護となっても、
住み慣れた地域で自分らしい生活をいつまでも続けることができるよう、
医療や介護、生活支援等が切れ目なく提供できる体制を整備する、
「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組みが進められています。

本市でも、本年4月に、地域包括ケア推進課を新設し、在宅医療・介護の
連携推進や、認知症対策の推進、
あんしんケアセンターの機能強化など、
地域包括ケアシステムの
構築を目指し、様々な施策に取り組んでいます。

このうち、在宅医療と介護の連携推進に関しては、昨年実施した
本市の65才以上の方を対象とする意識調査で、

「将来、介護が必要になったとき、暮らしたい場所はどこか?」

という質問に対して、

「自宅」という回答が37.9%
「施設」という回答が36.4%

あり、その割合はほぼ
拮抗しています。

一方、これは昨年の東京都民の意識調査の結果ですが、

「脳卒中の後遺症や末期がんなどで長期の療養が必要になった場合、
理想として自宅で療養を続けたいか?」という質問に対しては、

「そう思う」という回答が32.6%との答えでした。
しかし、58.4%の方は、「実現は難しい」とも答えています。

その理由として、この調査では、家族への負担や、急変した時の
対応への不安などが多くを占めています。

この結果は、平成20年の国の終末期医療に関する調査でも同様に
出ています。

つまり、「在宅で医療や介護を受けたい」と思っている方は相当数おられる
一方で、特に在宅医療については、実現への
様々な壁を感じている方も
少なくない
ということです。



【地域包括ケアシステム質問①】
在宅医療と介護の連携推進を進めるには、在宅医療に対する「市民の意識」が
変わる必要がありますが、どのように取り組んで行こうとしているのか?


【答弁:神谷副市長】
本市では、在宅医療の推進に向けて、訪問看護・介護をはじめとする様々な職種の
関係者が連携をとり、在宅での
生活を支援する体制を整備するため、多職種連携
会議の開催など、
関係者間の顔が見える関係の構築に努めています。

また、在宅患者の急変時における対応として、両市立病院が在宅療養後方支援
病院として受け入れを行うとともに、
入院から退院・在宅への円滑な移行を図るため、
地域医療連携に
向けたネットワークの構築にも取り組んでいます。

この他、在宅医療の普及に向け、訪問診療医の増強のための
同行訪問研修を
実施しているところであり、今後は、市民が
安心して在宅医療を受けることが
できるよう、こうした在宅
医療に関する様々な取組みについて、市民への啓発を
図っていきたいと考え
ています。


【山本直史の視点】

人生の最期をどこで迎えるか?

これは本当に難しい問題です。
待っていれば患者が来てくれるのが病院で、その病院にも行けない方の
お宅を訪問するのが訪問診療ですので医療を提供する側の意識改革と
そのための体制整備も必要です。

また国は施設介護より、在宅介護を進めていますが、核家族化が進行した
現代では「介護疲れ」「老老介護」などの問題も顕在化して来ています。

地域の中で支えあう「地域包括ケアシステム」を進めることは重要でも
そう簡単に進まないのが現状とも言えます。

高齢者が人生の最期に向かう過程で徐々に介護度が上がれば、
介護と医療との境目が無くなりますし、延命のために高度な医療が伴う
場合には病院に入院する必要も出てきますから、人生の最期をどこで
迎えるか・・・という意識を一人一人が考える必要があると思います。

僕の祖父はまだ僕が小学生のころに自宅で最期を迎えました。

祖父の周りを親族がぐるっと取り囲み、医師が祖父の脈や呼吸をみながら、
だんだんと呼吸が浅くなり、静かに眠るように天に召された最期でした。

統計によると1950年代には約8割の方が自宅で最期を迎えていましたが
それが最近ではわずかに1割にとどまり、逆に1950年代には1割程度だった
病院で最期を迎える方の割合が、最近では約8割になっていますので、
グラフは
綺麗な「X(エックス)」の形を描いているのが印象的です。

少子高齢化が進み財政が厳しい日本において「高齢者が増える」という
理由で
地域に特別養護老人ホームをどんどん建設することは難しい。

だからこそ
「地域包括ケアシステム」を進めることは非常に大切です。

そのためには「人生の後半から最期をどうするのか?」を一人一人が
正面から
考える必要があると考えています。