千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

米沢市の視察報告です。

【米沢の道徳教育について】

米沢市では上杉鷹山の教えが今でも息づいている。

上杉鷹山(1751年~1822年)とは高鍋藩主の次男として生まれ
1759年に14歳で上杉家の養子となり、17歳で米沢藩の9代目
藩主となった方だ。

藩主となった上杉鷹山は自ら率先垂範して「倹約改革」を断行し、
「実学」を重視し、鯉の飼育や米沢織物などの新しい産業を興すことで、
赤字が続いていた藩の財政立て直しに尽力した。

財政的に窮地に陥っていた米沢藩を救った人物として今でも尊敬される
人物で、米沢市のすべての小学校の体育館には上杉謙信と並んで
鷹山の肖像画が掲げられているそうだ。

ちなみに
「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」
という言葉は上杉鷹山の残した言葉で、アメリカのケネディ元大統領が
「最も尊敬する日本人」として挙げたとも伝えらている。

そして、この「倹約精神」の意味の解釈は・・・

・今日明日の贅沢ではなくて、将来の豊かさや子孫の繁栄を考えること
・自らを律し倹約を促すことは、家庭や個人を人として自立させること

ということだと理解されている。

米沢市の学校教育目標は「生きる力を育む学校教育」とされ、
3つの基本理念を米沢の教育として大事にしている。

その3つの基本理念とは

①目的意識の確立
・一人一人が何のために学び、どのような生き方をしようとしているのか、
信念や志を持つこと

②倫理観の醸成
・人として身につけなけれなならない公共心や規範意識などの倫理観を
小さいときから時間をかけて育てる

③実学性の重視
・ただ時代の流行を追うことではなく、社会の変化や時代の要請を感性豊かに
とらえ、学んだことを生かし活用していく柔軟性を持ち、自他を認め合いながら、
生きる力を備えること

とされている。

米沢市では先祖代々に渡って「上杉鷹山からの教え」が自然と各家庭の
中で息づいているだけでなく、学校教育の「道徳」の授業の中でも3つの
基本理念がしっかりと体系化されていた。

これは僕の個人的な感想になるが、先人からの歴史をしっかりと紡ぎ、
郷土愛を育むような米沢市の道徳教育は本当に素晴らしいと感じた。

残念ながら米沢市の道徳教育をそのまま千葉市に持ってくることは
出来ないが、考え方として多様な価値観を受け入れ、さまざまな課題に
対して主体的に対応する人材、つまり自ら考え、判断し、行動できる
「生きる力」を育む教育は極めて大切だと感じた。


米沢駅です。


山形新幹線米沢→福島の車窓より(少々ピンボケですね)