千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

昨日は朝から富山県の2市への視察へ行って来た。

富山市では住民基本台帳情報と地図情報との連携について。
氷見市では「ドリームプランプレゼンテーション」の手法を
活用した街づくりと職員研修について。

まず、富山市における視察報告をさせていただく。

富山市では人口減少、高齢化を見据え既に
「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」を着々と
進めて来ている。

この富山型都市経営は限られた明確なコンセプトに基づき
限られた財源を活用し、人々が都市部や公共交通の駅周辺や
バス停周辺に集まって来るような施策をいくつも展開している。

目指すのは過度にクルマに依存した社会から公共交通を軸に
歩いて暮らせるまちだ。

既に一定の効果は上がりつつあり、中長期的には富山市が目指す
「コンパクトなまちづくり」は確実に進んでいる。

富山市の市税703億円のうち、固定資産税と都市計画税の割合が
45.1%を占めており、中心市街地への集中的投資は「地価」
下落を防ぎ税の還流という点からみても合理的だという。

しかし、富山型都市経営はそれだけでは終わらない。

施策の「効果」いわば成果をしっかりと検証するための手段を考えた。
それが「住民基本台帳情報と地図情報との連携」によって実現している。

住民基本台帳の個人情報にあたる「氏名」以外の情報を地図上に
プロットするのだ。

つまり、住民基本台帳上の「住所」「性別」「年齢」を地図上に
位置情報である「XY座標軸」と紐つけることにより、市民の市内間の
移動が見える化されるということだ。

この「紐つけ」作業は、「市民課」が持つ住民基本台帳情報のうち、
個人情報にあたらない情報を「都市政策課」が受け取り、地図情報の
「GISシステム」にプロットしている。

なお、この紐つけ作業は外部に委託する形で平成23年から
毎年実施されているそうだ。

これにより、今まで「推測」で行っていたものが
「見える化」されることになった。

住民基本台帳の情報があらかじめプロットされているので、
例えば任意の検索条件として、「この公共交通の駅から
半径500メートル以内に65歳以上の方が何人住んでいるか?」という
情報も容易に「見える化」できるわけだ。

この仕組みを活用すれば都市機能の分析にも使える。

例えば、病院や診療所から500メートル圏内に居住している
人口の割合なども出せるわけだ。
(ちなみに富山市の沿線居住推進地区では83.4%が
500メートル圏内に居住している。)

住民基本台帳情報に地図情報がリンクしているため、
あるポイントから半径○○メートル以内に○○人が居住している
というデータの取り方も出来るし、昨年と比べてどの程度人口が
「増加または減少したのか」という市内間の「移動」に関する
情報も得られるため、目指すべき都市像を実現するための
「見える化」に寄与する仕組みだ。

情報を所管する部署を超えてそれぞれの「情報」を共有し、
リンクさせることで、新しい気づきが得られる好例だろう。

今回の富山市での視察成果を質問を通じて千葉市にも生かして行きたい。