千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

昨日から本日にかけて富山県氷見市と富山市の
2つの自治体を会派・未来創造ちばの6名の議員で
行政視察を行った。

氷見市は寒ぶりで有名な人口約5万人の都市で
富山市は人口約42万人の富山県の県都でもある。

視察の目的は氷見市は

・市役所の庁舎移転について
・ワークショップについて(庁舎移転に関する)
・開かれた市政について

一方、富山市は
公共交通を軸としたコンパクトな街づくりについて
LRTについて(次世代の路面電車)

ちなみに氷見市の本川祐治郎市長は僕の20年来の友人で
今年4月に行われた市長選でめでたく初当選された
注目の市長でもある。

選挙で掲げたメッセージは
「ハードからソフト、ソフトからハートへ」という
ものでプロのファシリテーターである本川さんらしく
氷見市の市政運営の真ん中に「対話」を掲げている。

彼は「市民と行政マンが一緒になって政策を
作っていく市役所にする」と公言している。

氷見市の市役所は来年に人口減少による統廃合により
使われなくなった高校に移転することが決定している。

本川市長はこの市役所移転をキッカケに市役所という
場所が市民との対話により様々なアイデアが生まれる
創造的な“場”にするための仕組みづくりを精力的に
行っている。

市政運営は既に決定した事を市民に伝えるのではなく、
決めるプロセスを大切にして、市民の“つぶやき”を
カタチにして行くというファシリテーション型の手法を
様々な場面で取り入れている。

これは言うのは簡単だが、今までの市政運営の
基本姿勢を市民のつぶやきを含めたボトムアップ型に
切り換えることを意味するので相当大変なことだ。

特に僕が印象に残ったのは本川市長が
「30年前の市役所と、これから30年先の市役所が
同じとは思えない・・・」と仮説を立てている
ところだ。

確かに僕も過去の延長線上に答えは無いと
考えているのでまさに同感だ。

視察によって気づいたのは

・一定の制約条件のある中でも
「決定するためのプロセスデザイン」を考え、
それを仕組み化すること

・職員がプロのシンクタンク職員のように
情報整理、企画提案やファシリテーションが出来るような
環境を作っていること

など、自治体運営の新しい挑戦とも言える。
今後も氷見市と本川市長に注目して行きたい。

一方、富山市では人口減少社会を見込んで、
公共交通を軸として拠点集中型のコンパクトな
街を実現させるために様々な先進的施策が
進められていた。

富山市は県庁所在地で、全国で最も人口密度の
低い都市で、世帯当たりの自家用車保有台数も
1.72台と全国2位で通勤に自家用車で通う比率が
83.8%とダントツの日本一だ。

つまり富山市の人々は駅から少し離れた郊外へ
戸建て住宅を購入し、自家用車で職場へ通勤する
ライフスタイルが多いとも言える。

人口減少社会において住む人が市内から郊外へと
広がるという傾向は、行政コストが増えるだけでなく、
公共交通の利用率も低下する。

富山市は将来を見越して積極的にコンパクトシティ
構想を進めている。

具体的にはJR富山港線を活用して路面電車である
LRTを導入したことや、既存の路面電車も
新車両LRTを導入し市内を循環できるようにした。

さらに2年後の春には北陸新幹線が開通すると
新幹線も在来線も高架化されることにより
富山駅ホームの下をLRTが南北につながる構想だ。

富山市のLRTは1日に130本以上の車両が市内を
走り料金が均一料金。そして乗車するには改札は無いし、
階段や段差も無い。
さらに自家用車からの転換でCO2も大幅に削減される。

未来と環境を考えた優れたビジョンのある
公共交通を軸とする都市計画を短期間のうちに
着々と進めている富山市に感動した。

氷見市では市政運営のあり方を、富山市では
都市計画のあり方を、それぞれ詳しい資料と共に
ご丁寧に説明いただいた。

これらの学びから生かせる部分を千葉市政に
生かして行くのがわれわれの役割だ。



氷見市議会にて


前列左から二人目が本川氷見市長


富山駅は北陸新幹線に向けた駅舎工事が着々と


富山市議会にて