【千葉都市ものレールの未来を向けた戦略について】
次に、千葉都市モノレールの未来に向けた戦略について質問いたします。
私は千葉都市モノレールが持っている魅力をもっと引き出したいと考えております。
駅までのアクセスを改善してモノレールの利用客を増やしたり、
従来には無かった新しい増収策を考えたり、
市内経済の活性化につながることは、誰にとっても悪い話ではありません。
利用者が多く採算が合えば、未来の新しい路線の話も、
決して夢物語ではないかも知れません。
ただし、未来の話をするためには、
モノレール会社が経営的に持続可能な状況になっていなければなりません。
① そこで、今後20年間でモノレールの施設や設備を維持・更新するために必要となる
千葉市とモノレール会社の費用について伺います。
千葉市が所有している支柱や桁の塗装、ポイントの駆動装置などの
インフラ施設の設備更新に要する費用が50億円、
変電所や電力管理システムなどのインフラ外施設の設備更新に要する費用として80億円の、
あわせて130億円程度となる。
また、モノレール株式会社が所有する車両や自動列車制御装置などの
資産更新に必要な金額は、モノレール会社として約250億円程度と試算していると聞いている。
(今後20年で合計で380億円が必要となる)
次に、モノレール設備の維持更新に関して、市内業者への発注金額と
その比率についてお伺いいたします。
インフラ設備の更新にかかった費用は平成20年度~22年度まで3カ年で約2億円で、
市内業者が受注した金額は3600万円で、比率は18%となっている。
インフラの塗装については平成18年~22年度までの5年間で約5億6000万円で、
市内業者が受注した金額は2300万円で、比率は約4%となっている。
先ほどの答弁によれば、20年以内に千葉市が130億円、
モノレール会社が250億円とは、本当に巨額な費用がかかりますね。
逆に、モノレールの桁や橋脚などのペンキの塗る仕事、
いわゆる塗装工事の市内業者への発注率がわずか4%とは、ちょっと驚きの低さですね。
もっと市内業者を活用すれば市内経済の活性化にもつながると思います。
そして、新たな増収策としての質問ですが、
② 例えば、モノレールの桁や支柱に広告スペースを作るなどして
新たな増収策を考えるべきだと考えるがご見解をお伺いします。
モノレールの桁や支柱に広告スペースを設置することは資産の有効活用という観点からも
③ 先ほどの答弁では、今後20年でモノレール会社は少なくとも
250億円をまかなわなければならないとの話でしたが、
そうなると1年間にいくらの収益が必要になるのかお伺いします。
20年間で250億円が必要ということであるので、単純に割り戻すと年間当たり
12億5000万円となります。
平均すると1年間に12億5000万円の収益を上げなければ、
まかなえない計算になるとの答弁でした。
④ それでは、モノレール会社のここ数年の年間収益は
どのようになっているかをお伺いいたします。
平成18年 1億9600万円
平成19年 5億2900万円
平成20年 3億1500万円
平成21年 4億8900万円 となっている。
これからの20年先までの話ではありますが、モノレール会社が1年間に5億円の利益を上げ続けていても、
このままの計算では少なくとも150億円前後は設備更新費用が足りない計算になります。
⑤ そこで、モノレール会社の資金不足に対する千葉市の考え方についてお伺い致します。
まずはモノレール会社が最大限の経営努力をする必要がある。
その上で一定の支援が必要となる場合には、何らかの対応策を検討して行くことになる。
これは明らかな将来的に負担するべきものですから、是非ともしっかり対応してください。
先ほどの答弁によれば、全体メンテナンスに対する市内事業者への
発注比率が非常に低いのが気になりました。
市内比率がわずか4%とは・・・。
塗装工事の96%はどこの地域の業者が受注しているのか気になります。
⑥ そこで、千葉都市モノレールのメンテナンスこそ、市内業者できっちりと行えるようにすれば
明らかに市内経済の活性化にも寄与すると考えるがご見解をお伺いします。
市内業者への発注は、市内の経済効果を高める上で重要と考えている。
今後、軌道桁や支柱の塗装について千葉都市モノレール株式会社と協議して行く。
次にモノレールの魅力を上げる質問を行います。
⑦ 利用者を増やすには運賃の弾力化も一つの手法だと考えるが、
仮にモノレールの運賃を変更するためには、どのような手続きと費用がかかり、
どの程度の期間が必要なのかをお伺いします。
運賃の改定には国の審査を受け、適正な運賃改定であることについて許可を受ける必要がある。
またICカードシステムプログラム改修が必要なので1年半~2年程度の期間を要し、
システム改修には約1億円程度かかる。
運賃を変更するのに「2年」かかり、「1億円」かかるとは・・・
これは料金を変えるのも結構大変ですね。
⑧ それでは、運賃の弾力化に近いですが、例えばモノレールの乗車率が下がる
午前10時~17時までの時間帯を対象に、75歳以上の高齢者に対する割引定期券を販売すれば、
新たな需要を開拓できるだけでなく、家から外にでる元気な高齢者が増えると考えます。
モノレールの乗客を増やし、元気なお年寄りが活躍する社会を両立させる仕組みとして
とても効果的だと考えますが、保健福祉局と都市局のそれぞれから見解をお伺いします。
保健福祉局長
民間事業者の創意工夫により、こうした高齢者サービスを実施していただくことは、
高齢者の生きがいづくり、社会参加につながるものと考えている。
都市局長
高齢者を対象とした年間割引定期券の販売については、需要や収益性など
総合的な課題を含めた検討をモノレール会社に提案したいと考えている。
これは、是非とも前に進めてください。
⑨ 千葉市には放置自転車が数多くありますが、例えばそれらの自転車などを活用し、
モノレール駅周辺における利用料無料のレンタサイクルの仕組みを考えれば、
「今あるものを活かす」形で、モノレールの利便性が高まると思われるが、ご見解をお伺いします。
モノレール会社ではモノレールの利用促進に向け、利用者に自転車を貸し出す
「モノレール・アンド・コミュニティサイクル」の検討をしているので、検討結果に期待したい。
⑩ 次に、モノレール駅までのアクセスを改善することでモノレール利用者を増やすためには、
既存のバス事業者やタクシー事業者と有機的な連携が必要となります。
そこで、例えばモノレール駅まで具体的なアクセスを考える公共交通事業者との
「協議する場」を千葉市が主導して作ることはできないかをお伺いします。
今後予定している交通政策会議からの提言を踏まえ、鉄道、モノレール、
バス事業者などが協議、協力できる「場」の設置について検討して行く。
千葉都市モノレールの未来に向けた戦略で一番大切なのは、
とにかく利用者の立場に立ってモノレールの利便性を高め、魅力を高めることです。
ここからは未来の延伸ルートの話を勝手にさせていただきますが、
仮にモノレールが千葉みなと駅から京葉線をまたぎ、海側へ進み、
海浜公園の中を通り、花の美術館まで延伸するとします。
一方で幕張本郷駅から海浜幕張まで運行されている日本最大の
ドル箱バス路線をそのままLRTと呼ばれる路面電車で走らせます。
このLRTは、幕張本郷駅から海浜幕張駅、QVCマリンフィールドを経由し、
今度は千葉方面へ花の美術館まで通します。
千葉みなと駅から高度を下げて来たモノレールと地上を走るLRTの乗り換えを
地上レベルで乗り換え可能なホームで出来るようになれば、
間違いなく千葉の魅力は大幅に高まると思われる。
⑪ そこで、千葉都心と幕張新都心とを結ぶ公共交通の未来像についての見解をお伺いします。
今後、千葉都心と幕張新都心間の連携による相互の活性化には、
湾岸部の集客施設群との交通強化が必要と認識している。
今後、総合交通ビジョンに示す公共交通の骨格的ネットワークを見据えて、
将来の交通需要予測や市の財政状況などを勘案し、長期的に検討することが必要だと考えている。
※以上で「千葉都市モノレールの未来へ向けた戦略について」を終わります。
次は、「市民を主体とした住民自治の推進」についてです。
検討すべき事項なので関係部局と協議を進め実現に向けて検討して行く。