聞こえますか、クマたちの悲鳴が!!

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マによる人身被害を防止するため

 身の回りで起きている天災と思われる事故が、実は「酸性雨」の影響で引き起こされているのではないかと思われるものをいくつか取りあげてみます。皆さんは、酸性雨という言葉を聞いたことがありますか?

 

酸性雨が実のなる木を枯らしている現実、酸性雨の説明はこちら⇒☆

 

           

  この写真は、友人の日光市に住む故横田博氏が足尾の山中で撮影したものです。

 

クマという動物と増加する人身被害!

 テレビ、新聞がここ8月降、クマによる人身被害を連日のように報道している。10月31日には、秋田県で61件、岩手県で38件、福島県で13件、青森県で10件等々、伝えている。

 取材を受けた専門家やコメンテーターは、里においての被害について、クマが人間を恐れなくなったとか、人間の食べるものが美味しいと分かったとか、都市中に出没するクマがアーバン・ベアになったとか、また山の実りの凶作が原因だとか、猟師が少なくなったとか、そして、クマは恐ろしい動物だという印象を見るもの、聞くものに与えている。

 

 しかし、専門家やコメンテーターからの意見は、世論に大変な影響を与えるにも拘わらず、クマを始めとする野生動物の棲む場所である自然の荒廃を伝える意見が全く聞こえてこないのは、大変残念であります。

 

 専門家やコメンテーターの皆さんには、まず評論する前に、クマたちの棲み家である森林に入り、森林の状況が一体どうなっているのか、見てからの発言をしてほしいのです。

 

 クマも人間と同じ哺乳類の仲間です。人間がホモ・サピエンスになる遥か以前に、

クマという動物はこの地球上に生存していました。まず、このことを理解してほしい。クマたちの棲み家に人間が後からお邪魔したのです。

 

 人間が、産業革命で以来、それ以前の自然の一部を利用する生活から、人間の都合のいいように自然を改変するという、生活のあり方を根本的に変えてきたということを忘れてはならないと考えます。

 

 そして、時代が進むにつれ、自然の改変は大規模に行われる一方、人間自体の生存が、自然に支えられているという意識が希薄になり、その自然の存在までもが忘れられるような世界になってしまっている。その結果、森林に棲む野生動物の存在までも忘れ、彼らの生息地である森林を荒廃させてきたことさえ、すっかり忘れているのであります。

 

クマによる被害を受け命を失った人々に対しまして哀悼の誠を捧げますとともに、お怪我をされた方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 

熊が里山に降りてくるという現実は、人間の行き過ぎた自然の改変等が直接の原因です!!

以下その理由を並べますのでお読みいただけると幸いです。

 

1.戦後まもなく林野庁による拡大造林政策で野生動物たちの食料資源であるブナを始めとする広葉樹を伐採し、スギ・ヒノキ等の針葉樹に変えたこと。

 

2.クマたちの棲む奥山に1965年以来、クマたちの棲み家にスーパー林道、大規模な林道を未開発の森林地帯に建設し、更に、機械化のため山地に林道を張り巡らし、採食場をずたずたに分断し、推し進められてきたこと。

 

3.1960年代以降、燃料が木材の薪から、石炭・石油のエネルギー革命にかわったことにより、そこから発生する大気汚染物質である硫黄酸化物や窒素酸化物が、酸性雨となって大地に降り注ぎ、都市では日々衰退した樹木の倒木が増加し、山地の森林で野生動物の棲み家で、食料資源で実のなるブナ科の樹木が大量に衰退・枯死していること。

 

4.1987年、リゾート法(総合保養地整備法)施行により、野生動物の棲み家に国中網目のように道路が造られ、ゴルフ場、ホテル等のリゾート施設が開設されたこと。

 

5.人間の趣向による一般登山客の増加や、トレイルランニング、マウンテンバイク

さらに近年のグランピング等で人間の活動面積は全土に広がり、野生動物の採食場は、ずたずたに細分化されていること。

 

6.最近の国の再エネ計画で進められている太陽光発電、風力発電等のメガソーラー

建設が、野生動物たちの森林を破壊している事実を見逃すわけにはいかない。

 

7.奥山に入れば、必ず見かけたクマ棚(樹上での食事後)さえ、既に見かけること

が無くなったこと。

 

8.戦後の都市化は山村、山林や農村、農地から労働力を奪い、その結果はその地域の荒廃を招き緩衝地帯が消滅し、クマたちの出没を招く環境になってしまったこと。

 

以上から、野生動物による人身被害、農作物被害は、野生動物たちの棲み家を大規模に改変した人間側に責任があり「因果応報」の結果と考えなくてはなりません。

 

いま、人間がやるべきことは!!

1.まず、山に野生動物たちに食料を届けることです。行政を始めとして、専門家が事あるごとに「柿や栗、野菜等がクマ寄になるから早めに処分」と指導していますが、野生動物が里に出没するのは餌を求めて出てくるのであり、折角の実りを処分するなら、現在の指導とは逆に、山に届けるように指導するべきです。

 

2.野生動物たちに餌を供給するブナ科のナラやコナラ、マテバシイ等の樹木が、激しく枯死し、ブナの樹の実りは「シイナ=実のない」が多く、樹体が衰弱しています。このことが、先に上げた人間による自然の改変と、樹木の衰退・枯死等の森林破壊が、野生動物が里に下りてくる原因なのです。

 

 樹木の衰退・枯死の森林の劣化は、長年降り続く「酸性雨」が原因です。この「酸性雨」対策には「炭」や「酵素資材」が有効に働きます。

 

3.野生動物等からの被害を防止あるいは軽減し、共生するためには、その彼らの生息環境を再生するため、地域に住む住民が共同して境界に、新たなブナ科の樹木を「クマ止め林」として植樹をすることを提案します。

 

 ブナ科の苗を植樹しても、果実であるドングリ類が野生動物たちの餌になるまでは数年かかります。当面の被害を軽減するためには、里にあるドングリ類や柿、栗、野菜等を山に届ける、優しい気持ちを持った活動が必要です。

 

4.クマたち野生動物たちの棲む領域に入る場合には、ラジオ、鈴、笛等音の出る用具を必ず携帯し、未然にクマたちに人間がいることを知らせる必要があります。

 

5.クマたちの棲む森は、過っては豊かな森でした。クマのような行動域が広く、その生息に多様な環境が必要な種は、その種の保全を行うことによって、同じ域内で暮ら他の生物種の生息も保証される。このような種は傘(アンブレラ)種と言われています。

 

 

 

「酸性雨」

 「酸性雨」というのは、phで5.6以下の雨、雪、霧を言います。 

 

 ヨーロッパでは”緑のペド”と言い、中国では”空中鬼”と呼び、この「酸性雨=アシッド・レイン」による森林被害は、世界や日本各地で猛威を振るいつづけているのです。

 

 国は現在「酸性雨」の影響を無いとしておりますが、全国で樹木が衰退・枯死しているのは「酸性雨=大気汚染」によるものです。

 

 1989年の8月には、環境省は「酸性雨」が全国29地点調査で、すべての地点でph4.4~5.5の酸性雨が検出され、「森林に影響の恐れ」と発表していたのです。

 

参考文献 

 

クマは警告する        宮澤正義著   

ほおずき書籍発行

 

獣たちの森          大井 徹著   

東海大学出版会発行

 

日本よ、森の環境国家たれ   安田喜憲著   

中央公論新社発行

 

森よ、生き返れ        宮脇 昭著   

大日本図書発行

 

黙しているのはもう限界だ   福岡克也著   

青春出版社発行

 

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