「梅」をテーマに書いてみたいと思います。
私が通っていた中学の卒業記念は、梅の苗木でした。
今思うと、そもそも庭がないマンションに住んでいる人がいたら、
困ってしまうような記念品ですが、私が通っていたエリアでは、
当時、そういう懸念がなかった場所でした。
卒業の際、梅の苗木を大事に持ち帰った私。
もちろん、すぐに庭に植えました。
当時の私の家は、祖父母との二世帯住宅。
祖父が、庭の樹々に関する監督のような立場でした。
その祖父にどこに植えたらいいか相談し、一緒に植えた、私の梅。
それからは、毎年梅の木がどのくらい成長したか、花が咲くか、
といったことが気になっていました。
3歳下に、弟がいます。
その弟も卒業の際に梅の苗木を持ち帰りました。
そして、私の梅の木の横に植えた、弟の梅の木。
2本の若い梅の木が並んだ自宅の庭。
自分たちの成長のように、梅の木の成長も楽しみでした。
大学になって、一人暮らしを始めた私。
私の梅は、私が大学生の頃に、初めて花が咲きました。
その時の嬉しかったこと。
母から電話で聞いて、すぐに帰省しました。
紅い花が咲いていました。
私の梅の木は、曲がって伸びていったのですが、弟の木は
まっすぐに伸びていきました。
また、弟の梅の花は咲き出すのが遅く、やや心配でしたが、
ある時咲いたら、私の梅よりもたくさん花が咲きました。
花の色も、私の方はどちらかというと濃い紅、弟の方は、
薄紅。
そんな梅の木を見て、母が、「自分たちに似ているね」と
呟きました。
その実家もある時、手放すことになり、私たちの梅はどうなったか
知る術もないのですが……。
梅が咲く時期になると、中学卒業時に、梅の苗木を大事に抱えて、
持ち帰った時のことを思い出します。
※写真は、この間行った亀戸天神の梅です。