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1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~

2025年 フジテレビ 単発ドラマ 鑑賞方法=TVer

 

 

 

 


  フジテレビが送り出した渾身の報道ドキュメンタリー&ドラマ

フジテレビといえば、中居正広さんの騒動で、とうとう日枝会長が辞任まで行きましたね。

 

でも、真面目に働いていた放送局員も多いはず。

 

3月20日の地下鉄サリン事件の日に合わせて、フジテレビ制作のドキュメンタリー「1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~」が放送されました。

 

すばらしかったです。フジテレビの底力を見せつけられた感じ。

こういう番組を当たり前に作れるテレビ局、なんですね。

 

腐っても鯛という表現を使ってはいけないのかもしれないけれども、「さすが日本を代表する放送局だ」と思いました。

 

  地下鉄サリン事件前後のオウム真理教に対する取材合戦のことを思いだした。

 

当時の報道部が全力で取材に当たっていて、フジテレビはオウム真理教の幹部に直撃取材、よくやってたよねえ。

笠井アナが怒った口調でオウム真理教の幹部にインタビューしてたよね。

あれだけ、怒りを露わにする報道番組って珍しかったです。

 

当時、オウムのインタビューはTBSが一つ抜けてて、逮捕される直前のインタビューなど、最後の最後まで、紳士的に質問して、インタビューに答えてもらってましたもんね。フジテレビは違ってた、もう激おこぷんぷんで報道してました。

 

その辺から、他局の報道部と報道活動に対する姿勢が違っていて、あれは取材者のスタンスではなく、視聴者の感情によりすぎてたかなとちょっと思いました。報道機関で働く人には冷静さが必要だと思うからです。

煽ってる気がした。煽るという行為は、アジテーションになるから。

 

でも、本気で、真剣に取材してるのは伝わってきました。

 

 

  サリン事件発生のメトロの無線の生音声をママで、時系列に流しながら、再現ドラマと当時の取材映像が交互で出てくる。

 

見ながら、気分悪くなって、トイレに行くのが怖くなりました。一週間くらい、不眠症に悩まされるかもなあ…と思いながら見てました。

 

サリンを吸い込んだ乗客を受け入れた都内の病院を起点にドキュメンタリーとしてサリン事件が進行していって、リアルで怖かった。私も地下鉄使ってるし、昔、千代田線沿線に住んで大学は千代田線を使ってたので、地下鉄のホームの様子がありありと目に浮かんで、「あああそこか!」と分かってしまって、よけいに怖かったです。

血の気がひくような思いをしました。

 

テロ行為を始める人たちの精神状態については、もういろいろ分析研究が進んでいて、「どうして高学歴のエリートがカルト宗教にハマったのか」というレポートもたくさん出てるし、いまさら語ることは、私はありませんが、地下鉄サリン事件を知らない世代の人たちには、「カルトの洗脳」「自己優位性承認欲求の闇」などについて、知ってもらえる機会になるのかなと思いました。

 

「自己優位性承認欲求」というのは、超一流のトップオブトップになれなかった人が「負け」を認めきれないプライドの高さ、自分が凡人だということを認めきれない状態、「私は誰よりも優れている」「自分は特別」という感覚を得たくて、その「栄光」を手に入れるために、自分を見失ってしまう人がいるということなんだと思いました。

 

私、昔、「実は私はオウムの指名手配犯なんだ」という人に居酒屋であったことがあります。同郷の知り合いの店で、「怖いからちょっと来てくれない」とママさんから電話が来て、私近所に住んでたので、夜中呼び出されて、傾聴することになったんです。

「自首したいのに、『まだ変なわるふざけする奴が来た』と交番で言われて、逮捕してもらえなかった」って酒飲んでたんです。それで、店のママさんに「110番してください」とお願いして、警察呼んだけど、来なかったんです。

 

逃げてて、電気工事屋さんで働いてて、お客さんのクレームがすごくて、仕事きついし、逃げて暮らしてるけど、普通の暮らしよりも、ちょっと貧しい暮らしをしてて、毎日働きづくめで、いやになって、日常生活から逃げ出したいような、「もう自首して、塀の中で修行してくらしたい」という言い方で。

 

 

「解脱したい。麻原は、あの人は解脱出来た。自分も麻原の教えてくれた方法で解脱するための修行をしてる。何度生まれ変わっても、解脱したい」と言ってたんです。特別な存在、解脱者になりたいんだって。

 

警察に連絡したんだけど、「よっぱらいの冗談」と言って取り合ってくれませんでした。

で、警察は来なかったから、その日は店を閉じて、皆解散した。

 

その後、私もいろいろ悩んでしまって、『シッタルーダ』を読み返したり、仏教ってなんなんだろうと調べ直したり、お坊さんとおお話をしたり、牧師さんともお話をしたり。ヨガの先生のところでバイトをして、ちょっとした隙間時間に、「先生、オウムの解脱ってヨガで得られるんですか?」という質問をして、いろいろ話を聞いたり。

 

解脱ってどうやるのか分からないけど、悟りって、自分が凡人だったって気が付くこと、普通の人に戻ることなんじゃないかなと、私は考えるようになりました。「自分は特別な存在になりたい」という思いが強烈すぎると、道を誤るのかなと思うようになりました。

 

その人、やっぱり本物の指名手配犯で、数年後に逮捕されましたよ。

櫻井真哉という偽名で、電気工事やさんで働いてた人。

 

今も修行してるのかな…。

 

 

 

おまけ(ここから先はフジテレビへの思いを書いてます)

 

 

  「お笑いのフジテレビ」路線変更を目の当たりにしていた私たち世代

 

 

 

年の暮れから年越しを過ぎて、あれよあれよとスポンサーが降りてしまい、ACがフジテレビを買収したのかと勘違いしてしまうくらい毎日AC広告が流れて、「どうなるフジテレビ!」と連日大騒ぎされていました。

 

 

1980年代までは、フジテレビは普通のフジサンケイネットワークのキー局である、ごくごく普通の民間放送局でした。

でも、ある時、「将来的にテレビ局は専門性が重視されるようになるから、フジテレビはバラエティに特化したテレビ局にする」とかいう方針発表があって、お笑い番組強化が始まり、TBSの「八時だよ全員集合!」をつぶす刺客的なお笑い番組「俺たちひょうきん族」がスタートして、お昼の「笑っていいとも」も絶好調、その後もお笑い番組、バラエティ番組で、ドッカンドッカンとお茶の間を爆笑の渦にして、空前絶後のお笑いブームを生みました。

 

横澤プロデューサーの本、私も読みましたよ。

時代が変わるんだ!とワクワクしたもんです。

 

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  オールナイトニッポン⇒オールナイトフジ⇒夕焼けニャンニャン

 

それから大人のお色気番組「オールナイトフジ」、夕方の「夕焼けニャンニャン」とお色気おバカ青春路線も、「若いと、性欲が爆発しちゃうのは仕方がないんだ!!」と電波を使って、日本中の若者の性欲発散が明るくできるように、屈折した人生を送らないように…(的なことだったようですけど)、ほんと我々って、おバカ路線まっしぐらなテレビとともに生きてきたんです。

 

「エッチなことを笑い飛ばす」というのは第二次成長期を迎えた男の子が爆発しそうな性衝動を

 

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こういう時代がありました。

 

 

 

 

 

  テレビがバカをやれるのは「怒ってくれる人」がそばにいるという大前提があってこそ

 

 

でも、テレビ局が遠慮なくバカをやれたのって、報道局がびしっと働いていて、肝心な時、非常時の放送やニュースなどを全力で放送してたから、報道部ありきの放送局!だったと思うんですよ。

 

報道部があるから、お笑いもできるという。

他の放送局は今もそうだと思います。

 

フジテレビは、バラエティ部門が報道部を凌駕してしまったようにみえました。

 

2000年代に入ってからは、報道部が目立たないTV局というイメージが定着してたと思います(少なくとも私はそう感じてました)。フジテレビは「お笑い」の方が力持ちすぎてしまって、「悪ふざけ」をしても、怒る人がいなくなってしまってたのかなあと感じました。

 

「俺たちひょうきん族」の時は、ビートたけしさんが毒舌トークにハチャメチャなことをやっても、その後に「また母ちゃんに怒られる」とか、ちゃんと(母ちゃんに怒られることを想像して恐怖を感じて…)というのが、最終的にオチについてたんですね。

 

放送局の中でバラエティ部門の人が思いっきり悪ふざけをしたら、報道部門の人が「こらあ!」と激怒して、悪いことだったら絶対止めさせる!というバランスの良さが、ニュースを流しているような放送局だったら、内部にそういう人いるでしょ!という安心感、信頼してるからお茶の間も、ハプニングを笑って、「あらら…」と安心して笑えて、「これはさすがにないでしょ」という悪具酒だったら、BPOに連絡!

 

 

私、フジテレビは、人事をいろいろと体制を作り変えるようですが、次は「こらあ!」と社内にちゃんと怒り役の人がいれば、持ち直すと思います。

 

  フジテレビが生まれ変わるために

 

フジテレビの役員の記者会見(長時間すぎて、ギネスの世界記録2位になったそうですけれども、バラエティのフジテレビだったら、(一位目指してもよかったんじゃ!)と言いたくなってしまいますが、そんなことも考えきれないくらい、真面目に対応してたんでしょうね。

 

記者会見の時に「フジテレビの報道部」の人が質問したら、すごく注目されてましたよね。

 

そうだよ、テレビ局の報道部はマスメディアでも花形職業! 優秀な局員がいるはずなんです!

 

「頑張れ、フジテレビ報道部!」って思いましたよ。

 

 

 

地下鉄サリン事件のドラマが怖すぎたので、ちょっと話がずれましたが、フジテレビ、がんばってほしいです!

今回のドラマは、報道部が全面協力して制作したことが分かるドラマで、フジテレビの内部の人たちが全力で作ったのがよくわかりました。番組作りがどのような体制になっているのか想像しかできないのですが(ニュース=報道、バラエティ=お笑い、ドラマ)に大別されるとして、今回はバラエティが撃沈してる状態だから、ニュースとドラマチームがタッグを組んで頑張ったように見えました。

 

すばらしかったです! このドキュメンタリータッチのこのドラマ。

いろいろ思い出して、震えながら、泣きながら見ました。

 

 

フジテレビ頑張れ!

だって、ちっちゃいころからずっと楽しく見てたですよ、フジテレビを。

私たち50代は、「テレビに子守り替わり」の第一世代だと思うんです。

テレビは大切な友達で家族なんです。

だから、頑張ってほしい。

 

退職したアナウンサーの女性も、がんばってほしい。

どこかで会ったら、「飲もうよ!」と女子会を開いて、カラオケ歌って、パフェ食べたり、一緒にわいわい騒いで、爆笑して、それぐらい、応援したい気持ちでいっぱいです。