彼方に(イギリス NETFLIX ショートムービー)

第96回アカデミー短編実写映画賞ノミネート 作品。

18分しかありませんが、胸を揺さぶられまくります。

 

ストーリー自体は、下の公式サイトに書いてあるように

「残虐な犯罪により失意のどん底にたたき落とされた男」の話、

犯罪被害遺族の話です。

 

 

 

トレーラー(予告編)映画映像がリンクできないようなので、

公式サイトのリンクだけになります。

 

 

 

  社会的再適応評定尺度の合計が700点超?くらいの悲劇

 

 

人のストレスを数値化した「社会的再適応評定尺度」では、

人のライフイベントのストレス度を結婚(50)を基準にして、

配偶者の死が(100)、近親者の死が(65)と、今、自分の周りに起きていることを

足し算で足していって、300点を超えたら79%の人がなんらかの病気になるとか、

200点以上だと不眠やウツなどの症状がでるか、そういう目安の表があります。

 

https://tottori.hosp.go.jp/files/000174350.pdf

 

 

 

 

主人公の方の「社会的再適応評定尺度」は、私がざっと計算したところでも

合計点で700点くらいかなあ…。

もう心がボロボロ。

 

 

大切な人を亡くした人の気持ちがわかる本: グリーフケア 理解と接し方

 

 

補訂版 犯罪被害者支援実務ハンドブック

 

 

  悲しみを乗り越えていく過程
 

 

悲しい。ともかく悲しい。

立ち直ろうとして立ち直れない

立ち直れないけど立ち直ろうとしているけれども、辛すぎる。

 

主人公の男性は知的な男性で、悲しみを乗り越えようとしています。

 

 

派手さはないお話なのですが、

この監督さん、脚本家さん、

うまい!です。

 

地味な話で、なにげない事柄を並べて

ウワーッ!と胸をグイグイしめつけてきます。

 

映画を学ぶ学校では、今後、このショートムービー、テキストになっていくんじゃないかな。

ショートムービーとしては傑作だと思います。

こんな短い時間で、心をわしづかみにされると思いませんでした。

 

 

 

  心の中でつぶやく「負きんなよ!」
 

 

池袋母子死亡事故遺族のご主人様のことを思い出してしまいました。

奥様が沖縄出身の方だったんですよね。

ウチナー婿の兄さん、負きんなよ~!

 

生きてると、辛いことは望まなくても起きるから、

たくさん悲しんだら、今度は自分を幸せにしてあげる方向に人生をシフトさせていこうと

考えられるようになる瞬間は必ずやってくると思います。

 

周りの人もつらくて、彼のことみてられないくらい辛いと思うけれども、

 

周りの人が「時間はかかるけれども彼は必ず立ち直れる」と信じて、

悲しんでいる人をすっぽり受け入れるというか、

すっぽり受け入れるのが大変だったら、そっとしておく、

なにもできなかったら、とおくから見守るだけで、

それだけでいいんだと思いました。

 

 

  Somewhere over the rainbow
 

 

18分で、ここまで語るか!という感じですけれども、

主人公の男性は、彼は必ず立ち直る!という予感がする。

心配だけど、彼はいつかきっと立ち上がる。彼はきっと大丈夫!だと思えました。


いい映画でした。

 

主人公はもともと情緒が安定した円満な人格の大人で、

悲しみのどん底にいても、他人への攻撃に向かわずに、

悲しみを自分できちんと受け止めてるんです。

痛みのわかる大人だから、ちゃんと自分の悲しみを、自分で受け止めて、

悲しんでるんです。その姿がとても美しかった。

 

この映画の主人公と友達になりたい!と思いました。

 

短いけど、とてもいい映画でした。

 


 

 

 



 

 

 

  お父さん、あなたなら乗り越えられる

それで、どうしてこの映画『彼方に』というタイトルなんだろうと、ずっと考えてていたのですが、

Somewhere over the rainbow
「虹の彼方に」の「彼方に」かなあ…と思いました。

子供のバレエの発表会、「オズの魔法使い」だったのかもしれませんね。

 

オズの魔法使い(字幕版)

 

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ペットが死んだときに「虹の橋を渡る」と表現しますたが、愛しの娘(幼い少女)が死んだら、

おとぎ話の(不思議の国に行った)という気持ちになるんじゃないでしょか。

 

 

あと、翻訳者が「(虹の)彼方に」があったとしたら、「彼方に」とタイトルをつけることで、

 

主人公のお父さん、今目の前真っ暗で悲しみしか見えないけれども、

やがて、このお父さんなら、悲しみを乗り越えて、強く生きていけるという願いを込めて、

「彼方に」にしたんだ…と勝手にお察しいたしました!

 


 

人は落ち込んでる時に、上を向いてもらうと(首を上げてもらう)と、鬱な気分が和らぐんだそうで、

鬱治療などで、クビの体操をしてもらうとか、目を上に向ける目の運動などがあるんだそうです。

ほんと、勝手な妄想をふくらませて書き飛ばして、すみません…(と先にお詫びしておこう)。