スパイダーマン:スパイダーバース
(2019年 米国 ソニーピクチャーズ マーベル アニメ)
2019年公開で第91回米国アカデミー賞「長編アニメーション賞」
受賞作品『スパイダーマン:スパイダーバース』をみました。
今年、続編にあたる『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 が、
また米国アカデミー賞「長編アニメーション賞」ノミネートされているそうです。
ということならば、
前編にあたる『スパイダーマン:スパイダーバース』を観ておかなきゃ!お話しになりません!
ということで、鑑賞しました!
スパイダーマンのマルチバース版で、どえらいことになっていきます!!
CGの上に手書きで絵を追加して、アメコミ感がUP!
CGアニメ(3次元コンピュータグラフィックス= 3DCG )なので、
シュッとした映像でスピード感のあるアクションアニメでありながら、
アメコミ風のテイストにこだわって、CGの上に手書きで色をつけたり、
モーションブラー(マンガなどで動いた時に描かれる「彡彡彡」のような動き)を現わす絵を書き足したり、
登場人物も手書きでマンガっぽくしてあるとか、大変な手間がかかっているんだそうです。
それで、この技術「米国特許庁」で特許をとってるんだそうです。
マーベルといえば映画「アベンジャーズ」ということに世界的になってますけれども、
もとはといえば、マーベルはマンガ!
アメコミの出版社ですもんね。
「基本はマンガでしょう!書くでしょう!」の精神が滾っていて最高!
元はアメコミ(漫画)!
私の家にも、私が子供のころから、スパイダーマンのアメリカンコミックがありましたよ!
兄が沖縄の米軍基地内の大学に一時期通ってたので、
基地の中のPXで買ってきたアメコミのスパイダーマンやスーパーマン、
アメリカの漫画が、たぶんお兄ちゃんが買ってきて、もしくは米軍大学から拾ってきて、
何冊か家にあったんです。
当時の沖縄にヴィレッジヴァンガードはありませんから、
「お洒落アイテム」として、部屋に置いて、ソファーでコーヒーを飲みながら手に取って、
アメコミやニューズウィークの英語版などを読んで、
英語に慣れていくという、そういう時代だったんだと思います。
私も英語読めないけど、絵を見て、ローマ字は読めるから、ローマ字読みで「wohhho!」とか、
声に出して、意味は分からないけど、読んでましたよ。
スパイダーマンって、すごいいつも悩んでるんですよね。
溜め息ついてることが多くて、ストーリー分からないから(悪いことしてるんでしょ!)と思ってました。
お兄ちゃんが「ちがうよ、こいついい奴なんだよ」と言ってましたけど、ちょっと信じられなかったです。
あれから、30年。私はすっかりマーベルオタクになってしまって、スパイダーマンのことならおまかせ!
といえるくらい、アメコミに詳しくなりました!
獲るべくして撮った「長編アニメーション賞」
それで、このアニメーション映画も、「マンガのテイストを重んじて、アニメーション映画を作る!」という気概が素晴らしい!
2019年作品が「長編アニメーション賞」をとるわけだわね。納得!
今年の長編アニメーション賞ノミネート、我々の「君たちはどう生きるか」の対抗馬にして最有力候補の 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、前編の方を今回見たわけですけれども、お見事!でした。
マルチバーズの話なので、
この世界のスパイダーマンと、余所の世界から来たスパイダーマンが
入れ替わり立ち代わり大活躍!
マルチバースのこの世界では、
黒人の少年 マイルス・モラレス君も放射能クモに刺されてしまい、
スパイダーマンとして覚醒してしまって、がんばれマイルス!
それで、アニメってやっぱり多少子供向けなんでしょうね。
マルチバースから集まった、スパイダーマンの仲間たちが、
かっこいいスパイダーマンからかわいいスパイダーマンまでそろっていて、
一部のスパイダーマンは、大丈夫か君は? と、ちょっと頼りなさそう^^
可愛いから許す~♪ みたいなスパイダーマンもいて。
その中でも、マイルス君、
新人スパイダーマンながら大活躍していきます。
このアニメ音楽が、ヒップホップでまた最高に楽しい!
で、このマイルス君、すごく素直でいい子なんです。
マイルス君のオリジナルのスパイダーマン衣装も
アメリカの子供にもバカ受けしてるみたいですよ。
アメリカの子供たち、幸せだね~♪
アメリカ版の「ご存じ!勧善懲悪」の定番作品なので、
マイルス君もいい子なんですよ。
パパは警察官、ママもやさしくて、
マイルス君も優秀な進学校に通う子で。
女の子のスパイダー・グエンも可愛かったです。
グエンという名前だから、ベトナム人かと思ったら、金髪美少女でした。
また日系アメリカ人のペニー・パーカーちゃんが(これもスパイダーマンの変形)で、日本人女子高生の姿で登場!
彼女も一応、スパイダーマンのマルチバースから来た子で、
スパイダー系のマシンを操る日本人女子高生なんです。
いきなりの女子高生出現に、面食らってしまいましたけれども、
外国から見た今の日本のアニメを象徴するのは「制服の女子高生」なんですね。
21世紀は、こんな日米チャンプルー!
こんな未来、想像していませんでした(爆笑)。
悪役のデフォルメ感が最高
それから、キングピンやばい!
このデカさ、まんまるさに爆笑!
あんたは月か?!という。
ドクター・オクトパス。アニメでは女性でした。
野心家すぎて、化け物になってしまった知り合いのNPDの人に似てて(ビジュアルも性格も)、
NPDの人って金太郎飴みたいに同じ言動をとるというのを、
アニメで再確認してしまいましたよ。
こまったな…。やっぱり面白いんですよ!
スパイダーマン。
この続編が、長編アニメーション賞のノミネート作品だとしたら、
われわれの宮﨑駿監督作品『君たちはどう生きるか』受賞に向けて、手ごわいライバルです!
「君たち……は何回か見た方がいいよ、意味が分かるようになるから」ということだったので、
2024年の今見るなら、オッペンハイマーとセットで観るのがおススメかなと思いました。
オッペンハイマ―と連動してみると、
君たち…は「敗戦したカミカゼジャパンの銃後の子供たち」のストーリーだということが、
より明確になるので、そこまで視聴環境を整えると「君たち…」は映えるかなあとおもったり。
あっ、ここはスパイダーマンの感想を書く欄でしたね。
アベンジャーズ終結後はスパイダーマンアニメだよ!
といわれていたのですが、(アニメかあ…ちょっとなあ)と思ってみてなかったんです。
ところがどっこい! 面白かったです。