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多文化共生の時代の映画

 

昨年「国際理解とはなんですか」と、とある国際学の学者さんに質問したら
「人は理解し合えないということを知ることです」といわれたことがありますが、
 
移民と多様性の国アメリカのピクサーが製作した「多様性と相互理解」をテーマにしたアニメーションで、
米国アカデミー賞「長編アニメーション賞」ノミネート作品の『マイエレメント』を観ました。

 

 

 

 

 

サラダボウルのような社会

 

我らが宮﨑駿監督の『君たちはどういきるか』、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、
『ニモーナ』、『 ロボット・ドリームズ 』の対抗馬となる作品です。
 
価値観が違う人間が共に生きることの難しさと、それでも歩み寄る人々の普遍的な愛をストレートに描いた作品でした。
 
ブラジルやアメリカに他民族が混在して住む国やコミュニティを「人種のるつぼ」と表現しましたが、
ブラジルの人に言わせると「るつぼではない。だったら溶けて融合する。混在したままバラバラに生きてる」というのが
ブラジルやアメリカに住む人の実感なんだそうで、最近は「サラダボウル」という表現をするんだそうです。
 

 

 

火+水=LOVE!

 

 

この絵で分かるとおり、

火の女性 エンバー・ルーメンと、

紫色(水の男性) ウェイド・リップルが

恋に落ちてしまうというストーリーです。

 

でもさあ、

人って好きになってしまったら、

あらゆる困難を乗り越えて、

前に進みますよね。

 

 

個性をエレメントで例える

 

 

エンバーの意味は「残り火、燃え続ける炭」のことで、燃えるという意味の他に、「作る」「情熱」という意味もあるんだそうです。

ウェイドの意味は「水の中を進む、水が通り抜ける」という意味の他に、「困難を乗り越える」という意味があるそうです。

 

ルーメンは光の強さの単位ですよね。

リップルは「さざ波」「ざわめく」という意味があるそうです。

 

 

 

 

多様性を認めると前に進む勇気が沸く

 

恋愛結婚をしたおじいちゃんおばあちゃんとみても楽しい映画だし、

ひなまつりの日に見るのにとてもいい映画だと思います。

 

自分に向いている進路を決めたい高校生、大学生、中学生、小学生にもおすすめです。

 

結婚を考えてる人にもおすすめ!です。

 

自分は欠点だらけで、

「こんな私、生きてていいんだろうか」と落ち込んだ時に見ても、

勇気をもらえます。

 

↓だって、こんな状態です。

私がエンバーだったら、相当悩むと思う。

 

日本に住んでると、「ふつうにしてろ」「目立つな」「さからうな」という同調圧力が強くて、

殺されるんじゃないかというくらい、普通に生きることが許されない社会というのも、一部の世界には存在します。

 

この二人の恋愛、火と水じゃ無理でしょ!という前提で見るのですが、

どんどん心が解放されて自由になっていくのが判りました。

 

 


 

万人受けするし、とても良い内容だし、いい映画でしたよ!

 

だけど、長編アニメーション賞は、

話の重さかから(暗くて、基本的につらいので)『君たちはどう生きるか』かなと思いました。