星と俺とできめたんだ(1965年 日本 日活)
60年代の「歌謡映画」のブームの波は大波小波、いろいろあって
こちらはビッグウェーブ~♪
ドドーン!
バシャ×2!
デビューまもない大型新人2人の青春映画!
若き西郷輝彦さんと渡哲也さんの二大競演!
青山学院大学空手部キャプテンの銀幕デビュー。彼の名前は渡哲也
薩摩隼人は武士でござる~!な歌手・西郷輝彦さん
薩摩隼人は武士でござる~!な西郷輝彦さん
歌えなければ映画スターではない!の時代
なんか、TVの時代劇って主演の俳優さんが主題歌を歌うのがお約束ですけれども、
これって映画の「歌謡映画」のお約束がテレビにスライドしていった結果じゃないでしょか。
テレビで毎週主題歌が流れて主題歌も大ヒットして印税も入って、
役者としても認知度が爆上げして国民的スターと呼ばれるようになる。
このレコードのジャケットではわからないと思うのですが、西郷さん、「足が長~い!」「顔ちっちゃ~い!」、やっぱりスター!なんですよ。だから、歌謡ステージで本物の西郷輝彦さんを目撃した人は、劇場を出ておうちに帰った後も「好きなんだけど~♪(てるひこが!)」となってしまう。
ボクサーか?!というくらいの細マッチョ。ストイックな漢!ぶりにクラクラ
西郷輝彦さん、ただの歌手だと思っていたのですが、
若き日の西郷さん、ホッソリして(坂口健太郎か綾野剛か?)ってくらい、ホッソリ!されています。
そして、足が長い!
南国生まれの浅黒い肌に太い眉毛。
奥目がちの瞳は秘めた情熱がキラリ!
「情熱を秘めている目!」=星!
目に星が入って、メラメラ燃えているのに、ふと寂しそうな表情を見せる。
ボクサーのような筋肉質で引き締まった、すばらしい肉体を披露されていました。
サービスカットか?!(笑)なシャワーシーン、ベッドシーン(といっても、寝坊してるから布団をひっぱがされて起こされるとパンツ一丁だった!という健全なシーンです)。
いや、これだけ素晴らしく鍛え抜かれた身体です。
私が映画監督でも、カメラ回して、シャワー浴びてもらいます。
これは相当鍛錬してます!
これは努力の賜物!
筋肉は嘘をつかない!
背も高いし、モデルさんみたいでスラッとして、
ボクサーのように、しまりにしまった細マッチョ!
マイケルJフォックスじゃないですけれども、
ここで薄紫のカルバン・クレインの下着を着てたら、最高に似合ってたかもしれません。
白いブリーフ(健全な青年なので!!)、がっつりと「昭和の青春映画~☆彡」になっていました~!
大物俳優になる人は、デビュー当時から違う。高校生の松原智恵子さんが神がかってピュア
後に大物俳優になる人って、デビューした若い時のその時点で、衝撃的にカッコいいんですね。
女性もそうですね。
この作品、「日活3人娘(吉永小百合・和泉雅子・松原智恵子)の、松原智恵子さんが、
大学生の星川雄次が下宿している親戚の家の高校生の娘さん役で出演されていますが、
高校生の松原智恵子さん、美少女!で、きゃわきゃわ!なんです~♪
和泉雅子さんは超絶可愛い~!キャピキャピして「かわいこちゃん!」という感じでしたが、こちらは可憐な美少女。
将来、和服が似合う美人になるぞ~!という感じ。
うりざね顔でホッソリされていて、色白で、白人の少女のような可憐さです。
彼女が寝坊してる星川雄次を起こしに部屋に入ってきて、布団をはぐんですけれども、
そのとき白いパンツ一丁で寝てるんです。
「ケモノくさ~い!やだもう、エッチ―~!」と怒る高校生の松原智恵子さん。
いたいけな少女に、なに言わせとるんじゃ!こら日活!
って思うのですが、
セクシーという言葉を知らない女子高生。
やがて恋に芽生えるお年頃! まだまだ知らなくていいんです!
青春映画ですからね!
ああ、思い出した。私たちが10代の終わりから20代になったばかりのこと、お洒落な音楽のコレクションをして車でその音楽をかけてたのですが、友達に彼氏が出来て一緒に私の車に乗ってもらったのですが、お気に入りの音楽をかけたら「君たち相当遊んでるのか。それとも、もしかして、君たちこの歌詞、意味分かって聞いてる??」といわれたんです。私や友達が選んでドライブに聞きたい曲のセレクションが、R&Bのセクシーなバラードばかりだったんですね。歌詞の内容、よく精査してなくて、「アイラブユーハニー♪というセリフが入って、なんとなく大人っぽくてお洒落だな…」と選んだ曲だったのですが、ベッドにいざなう詞の曲が何曲か入ってたんだそうで、まあいいか。
小柄な女優の奈良岡朋子さんの魔力「胆力」について考えた
「江戸を斬る」の頃は貫禄が出ていて、ふっくらされていて、ものしずかな兄さんでしたね。
静かに座っているだけで迫力が出る人って、鍛錬してる人だなあ、うん。
世におじさまは多けれど、器が大きくて「胆力がある方だなあ」と感じる方はごくごくわずかで、でもそういう方とお目にかかると、この胆力はどうやって身に付いたんだろう?とよく考えるのですが、とりあえずは鍛錬なのかもしれませんね…。
ただ、おじさまだけでなく女性の方にも「胆力がある」女性がいらっしゃって、女優さんでいうと奈良岡朋子さんだなあ…と思っているのですが、この作品、奈良岡朋子さんが重要なシーンでご出演されていました!!
やった!奈良岡朋子さん、久しぶりに見れた!
病床にある衰弱した女性の役なのに、すごい!かっこえ~!!
小柄で物静かな女性なんだけれども、胆力がある!
うおお~!!
最高です!
静かに、静かに、山を動かした。
この胆力はどうやって培うんだろう…。
見習いたい!
弟子にしてほしい!
かっこいいなあ、奈良岡朋子さん。
日本で007を撮ったら「Ⅿ」は奈良岡さんだよなあ。
いろんなことを考えていて、いろいろ知ってるけど沈黙して、静かに決断して、大胆に行動する女性。
大人の女性だなあ…。
ああ、今年亡くられたんですよね。ご冥福をお祈りします。
十朱幸代さんの大人の色香にどいつもこいつもメロメロ
この作品は、女性陣が素晴らしい!んです。
ピュアな魅力の松原智恵子さん(高校生の役)の他に、恋人を失ったJAZZシンガーとして十朱幸代さん、愛人をしながら銀座のクラブのママの役に香月美奈子さん、病床にありながら悪徳社長の夫を苦々しく思っている妻を演じる奈良岡朋子さんと、4世代の女性、さまざまな役どころの、魅力的な女性が登場します。
十朱幸代さん、これは全盛期でしょうね。
恋人を失った傷心の美しい女性ジャズシンガーで、においたつような大人の色香をただよわせながらステージに立ちます。
ボートのエンジン開発者だった恋人が実験中にボートが暴走して死んでしまう!という悲劇の過去があるんですね。
恋人の弟、西郷輝彦さんとは姉弟のように付き合っています。
兄さんがボートのテストで事故死した湖へ向かう二人。
西郷輝彦さんと十朱幸代さんは「兄を失う」という共通の喪失感をもっていて、姉弟のように親しく付き合っているけれども、こんな美しい女性だものねえ…。
渡哲也さん演じる大日向三郎も、十朱幸代さんい一目ぼれしてしまうし!
彼らは剣道の全国チャンピォン選手権のライバルだけでなく、恋のライバルにもなっていくのか?
にしても、星川君って下宿先には可愛い高校生の松原智恵子さんがいて、美女に囲まれてさあ^^
にしても、死んだお兄さん、海の走り屋というか、世界最速のボートを作る研究者だったんですね。
疾走する青春!
剣道家の青春恋愛映画としては最高峰だと思います。
だって、二人ともカッコいいんだもの!
渡哲也さんと西郷輝彦さんの試合はさすがは空手家と剣術家の武道家対決で、気迫が全然違います。
ドキドキハラハラ、スポーツ根性映画として制作したとしても、この2人ならかなり見ごたえのある作品になったと思います。
「俺と星で」なにをきめたのか。
良作でした。