二人の銀座(1967年 日本 日活)

 
 

 

二人の銀座

 

 

 

 

 

♪テケ テケ テケ テケ×2♪
テケテケ奏法でおなじみのベンチャーズ。

 

ベンチャーズ ヒット パレード 2枚組 WCD-640

 

日本でも大人気だったベンチャーズが日本公演の時に銀座の夜景を見て作曲したいわれる 「Ginza Lights」 という曲に、
当時日活の三人娘とよばれた(吉永小百合・和泉雅子・松原智恵子)のなかの、キュートなアイドル和泉雅子さんと、日活青春スターでバンドマンとしても人気だった山内賢さんの2人が、永六輔さんの作詞で「二人の銀座」という曲をリリース。
 
これがヒットして、待ち構えていたかのように日活が曲を元に映画化をした作品がこの「二人の銀座」なんだそうです。
 

 

和泉雅子 銀幕の世界 Vol.2 二人の銀座/花と果実 【昭和の名作ライブラリー 第114集】 [DVD]

 

 

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  60年代の銀座はイケイケ! シブくて、クールで、トレンドの発信源!そして大人の恋の街♪

 

 
 
私が生まれる一年前に発表された作品ですが、日本は完全に「戦後は終わった!」感じなんですね。
 
銀座は華やかで明るくて、美しい!
恋の街銀座!
 
大学生のバンド「ヤング・アンド・フレッシュ」のメンバーが銀座のライブハウスに押しかけて「演奏させてください!」というモーレツ売り込みを行う青春映画で、当時は銀座は若者の街だったんですね。お洒落なモード系の若者と通で粋な大人が集う。
 
 
新宿あたりだとヒッピー文化が花開き始めてるころだと思うのですが、グループサウンズのブルーコメッツやロカビリーの尾藤イサオさんが出演(ライブハウスの出演者という設定)で、JAZZを楽しむ大人の遊び場にとんがった若者たちが集まって、最新のトレンドが生まれていく、そんな1968年の銀座を舞台にしたお話でした。
 
 
もともとが二人のデュエット曲「二人の銀座」を元にしてできた映画なので、この曲が鍵になって、大人と若者の2つラブストーリーが展開していきます。
 
 

 

  日活青春映画全盛期の「日活3人娘」の1人、和泉雅子さんが可愛すぎる!

 

瀬川マコを演じるのが若き日の和泉雅子さん、とびっきり可愛い!!

 

 

 

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映画会社のタレント選びは芸能界でも一番! 

世界中から「特別な一人」を選ぶんだそうです。

 

 

映画女優って、芸能界の中でも特別な存在、スペシャルofスペシャルなんですよね。

原節子に山口淑子(李香蘭)。

絶世の美女、時代を変えた女性たち。

 

原節子の真実(新潮文庫)

 

伝説の歌姫 李香蘭の世界

 


 

日活三人娘の一人として選ばれた和泉雅子さんは、
なんというか「アイドル力200%」の逸材という感じの女優さんて、
可愛い!
 
もう場面に出てきた瞬間から「可愛い~♪」
 
山内賢さんと、ビートルズばりのグループサウンズで「二人の銀座」をうたう和泉雅子さん。
 
80年代に大流行した、可愛い♪を凝縮した、舌ったらずで甘えんぼちゃんの声&胸がキュンキュンになる
「アイドル歌唱」をされてるんです。
 
うわ~!
60年代でこれやってたのか~!
 
 
やられた~!
むちゃくちゃ可愛い~!
 
可愛すぎる~!
これって、もう、あざとい!
 
天然美少女に、あざといことさせて!

大人がたくらんだに違いない!

この犯人は……日活だな!!

日活青春映画全盛期、すばらしすぎる!

 

 

 

花と果実

 

若くて悪くて凄いこいつら

 

若い季節/続・若い季節(DVDツインパック)

 

  「あざと可愛い!」を日本で発明したのは青春映画全盛期の日活の人たち、絶対そうだ!

 

令和の日本名物「あざと可愛い」の仕掛け人は日活だった!!
多分、そうでしょう。
 
これはもう絶対にそうです!(断言してしまいます)
 
 
雅子さんにズッキューン!
ハートを撃ち抜かれてしまいます。
 
それと、「ヤング・アンド・フレッシュ」のベンチャーズサウンドに合わせて、ゴーゴー踊ってしまうんです。
それがまた可愛い!
 
今、テレビドラマで「セクシー田中さん」をやってますが、 生見愛瑠さんが田中さんを慕う「超可愛い倉橋さん」を演じられていますが、超可愛い人!って世の中に実在するんですね。
 
 

 

  映画スターは芸能界の中でも別格! ランクが違う!

 

令和の世はグループアイドル全盛時代で、芸能界に入りたがる可愛い女の子がたくさんいるんですが、映画会社がスクリーンのヒロインとして選ぶ女優さんは芸能界でも「別格」扱いです。無料で見られるテレビと、映画館まで交通費を使って出かけてきてもらって、入場料を払ってもらって見てもらう映画は、格が違う。
 
映画会社の女優さんは簡単にはテレビには出ない。
 
格って大切なんですよ。
琉球舞踊の世界でも古典の人たち、古典でも、とくに「組踊」の伝承者の皆さんは、チャラッとしたテーゲーな舞台には出ない。マネージャーさんがいて、出る舞台を選んでいます。宮廷とか王国の伝統芸能だから。
 
格って、ものすごく大切にされてます。
 
 
映画会社「日活」が世に送り出した女優和泉雅子さんは歌手デビュー、いきなりベンチャーズの曲で世の中に出てきちゃうんですよ。
 
これが選ばれし存在。
スター! 
なんですね~!
 
 

 

  60年代の銀座で遊んでみたい! ジャズにロカビリーに最先端のビートとモード、そして恋!

 

 
銀座のライブハウスのシーンも、ゴーゴー喫茶というより若いお洒落な大人の遊び場で、なんだか、出演者もエキストラの人たちもみーんなお洒落でカッコいい!んですね。
 
大学生バンドって、ボンボンですよね。
だから、群がる女の子たちもちょっとリッチなガールが集まってて、お洒落!!
 
 
 

 

青春ア・ゴーゴー

 

山内賢さんも笑顔が可愛い俳優さんで、笑うと井之脇海さんに似てる。
ちょっと可愛い。まあ、この二人、恋に落ちちゃう設定でしょうね(ニヤニヤ)。
 
山内賢さんってば、和泉さんと銀座の街の中を「二人の銀座」のBGMが流れるなか、ふたりでじゃれ合いながら楽しく歩くシーンがあるのですが、和泉さんも楽しそうだし、それより山内さん、もうゴロニャン♪な表情で、あれは「素でしょ!演技じゃないな!」と、私相方に耳打ちしたら、相方もうんうんとニヤニヤ。山内さん素ですごい楽しそうで、幸せを絵に書いたようなヤングカップルという感じ。みてるこちらまで幸せな気分になりました。
 
最初に「この映画は大人の恋と若者の恋が…」と書きましたが、大人の恋の方は、瀬川マコちゃん(和泉雅子さん)の姉の 瀬川玲子(小林哲子)さんの彼氏が行方不明なんです。姉さんは銀座でファッションデザイナーとして小さな店を切り盛りする女性で、彼氏は作曲家なのですが、「二人の銀座」という曲を姉さんにプレゼントしたまま行方不明になってるんです。
 
銀座で恋人が行方不明って「銀座の恋の物語」もそうでしたね、向こうは行方不明の恋人が女性で記憶喪失。こちらは行方不明の恋人が男性で作曲家。

 

銀座の恋の物語 [DVD]

 

 
この作品、「盗作」の話なんです。行方不明になった作曲家の恋人、実は売れっ子作曲家に曲を盗まれて告発したら、逆に「お前が嘘ついてるんだろう」と業界追放になってしまったという悲劇の人。
 
なんかすごくかわいそう。
令子姉さん、毎日銀座で服の仕立てをしながら恋人が帰ってくるのを待ってるけど、帰ってこない。
妹のマコちゃんもお姉さんのことを心配してて。
 
という令子姉さんがまたエレガンスで自分で仕立てたワンピースを着て夜会巻きの頭で、ザ・ギンザの女性で、素敵!なんです。
美しい方で、ファーストサマーウィッカさんに似てます。そうそう!昨年やってたドラマ「私のエレガンス」」のヤンキーのサマーウィッカさんが、洗練されて、落ち着いた大人の女性になった感じ。(下の画像の左から2人めにサマーウィッカさんが変身して、変身した方の彼女に似てます!)。

 

私のエレガンス [Blu-ray]

 

 
 
 
すごくキレイ!
美しい姉妹に幸あれ!
 
で、マコちゃん、お姉さんの大切な楽譜、間違ってお外に持ち出してしまって、日比谷公園の電話ボックスに忘れてきちゃうんですね。
そこの電話ボックスで出会ったのが、山内賢君演じる大学生バンドマンの村木健一君だった。
村木君、「楽譜を忘れてるよ!」と声をかけても、彼女タクシーに乗って行ってしまったから、楽譜を持ち借って、で、悪気はないけど、ギンザのライブハウスでむりやり飛び入り出演して、楽譜初見でもイケてる感じで演奏できるのをアピろうと、落とし物の楽譜を演奏したら、大うけ!
 
この曲最高じゃないか!とギンザ界隈で話題になっていきます。
 
やがて、この曲がブームになりはじめて、早耳のマコちゃん、ライブハウスにおかんむりで駆け込むのですが、喧嘩しながら二人、仲良くなってくんですね。
 
でも、お姉さんの宝物の楽譜だから、はやり始めてるのはお姉さんに内緒にしてて、だけど、とうとう人気が出てきて、プロデビューが決まり、「このままじゃいけない! 行方不明になってる作曲家のお姉さんの恋人を捜そう」とみんなで探しに行くというお話です。
 
 
で、この映画、サイコーなのがギンザのライブハウスに、売れに売れてるブルーコメッツと尾藤イサオさんが出てるんですよね。
二組の最高のステージが映画で見られるんです。
贅沢だよね。田舎に住んでたら、売れっ子のステージなんて見られないし、ギンザにも行けないし、映画館の大画面と大音響で見られるんだから、サイコー!
 

 

ゴールデン☆ベスト ジャッキー吉川とブルーコメッツ

 

 

ロック・サーフィン・ホット・ロッド+レッツ・ゴー・モンキー

 

 
にしても、ブルーコメッツも尾藤イサオさんもカッコいい!
 
尾藤イサオさんってば、そういえば1997年の滝田洋二郎監督の「シャ乱Qの演歌の花道」というミュージシャンの盗作の話をとりあげた映画にもご出演でしたね。盗作って「最高の音楽」だから盗まれるわけで、尾藤さん最高のミュージシャン(パフォーマ)だから、最高の作品のそばに最高のパフォーマがいるの当然で、だから、音楽の盗作が鍵になる作品に2つも出てらっしゃるのでしょうか。
 
尾藤さんは歌手だから盗むも盗まないも体一つで勝負してるから白、真っ白。
この間、川平朝清さんという沖縄出身のNHKアナウンサーで(戦後初のアナウンサーで、NHKの役員だった方)ジョンカビラさんのお父上の98歳のお祝いに行ってきたのですが、お祝いに尾藤イサオさんがステージで熱唱してらして、もう70歳すぎていらっしゃるんでしょうけれども、ぜんぜん衰えもなく、パワフルで感動しました!
 
 
で、銀座でエレガンス~♪なファーストサマーウィッカににた令子姉さんの恋人もやっとみつかって、(川崎のキャバレーのピアノ弾きになっていた)、当時のキャバレーの表現もハリウッド映画に出てくる飲み屋みたいに、猥雑だけと熱い感じがして、なんだか泥臭くてカッコよかったし、音楽業界を追放されて、ちょっとやさぐれた感じの恋人の兄さん 戸田周一郎を演じた新田昌玄さん、渋目のイイ男でした。
 
山内賢さん演じる大学生バンドマンの村木君、デビューにあたって「いいな!この曲は君が書いたということで行くから!」と言われて、良心が痛みまくります。それで、マコちゃんと作曲家の人を捜し始める。
 
で彼、「二人の銀座を書いた、才能がある」とバンドもデビュー決まってたけど、村木君、「この曲は戸田周一郎さんが書きました!」とコンサートで宣言して、戸田さんリスペクト全開!お客様も拍手で応援してくれるんですね。
 
で、戸田周一郎、もう逃げなくていいよ!という展開なのですが、戸田さん、また去ろうとするんです。
 
令子ねーさんと会わないのか!!
と思いきや、村木君のコンサート会場で、奇跡が、会えたんです!
 
やった~!会えた~!
とにかく最高ではあった。
最高ではあった。
 
兄さんが見つかって、令子ねーさんと再会のシーンの時、最高に素敵な―シーンで、カメラ割も完璧!だったのです。
ですが、が唯一残念なことがありました。
 
苦労をしてくたびれた感じになった戸田周一郎の、顔に無精ひげが欲しかったのかな? なんといえばいいのか、メイクが失敗してて、カールおじさんのような円形が口の周りに、口の周りを髭色に塗ったのか?! 口の周りに茶色いドーランのようなもので塗ったのか。劇場の前の広場で令子姉さんと再会する感動のシーンなのに「あっ!カールおじさん!」って私いってしまって、相方に「うるさい!」と怒られてしまいました。

 

ああっ!なんてこと!!

 

 
ドーランでなんちゃって無精ひげを書くのに失敗したのか、もしくは天然で髭があんな感じでカールおじさんのように見えてしまう髭の濃い方だったのかもしれませんが、だとしても、だとしたら、口の周り、メイクでどうにかして、ここは「最高にイケメン」にしてあげてほしかったです。業界追放されてやつれてる感じは、頬をコケさせたり、目の下に少しクマを作ったり、しわを魅せるだけで、「カッコいいイケメン疲れ顔」は作れたのではないか。カールおじさん顔はどうか!!
 
画像検索でググってみたら、新田昌玄さんて長嶋茂雄さんみたいに髭の剃り跡が青くなるタイプの方のようなんですね。だったら、顔のドーランの色をすこし色調を暗めにして、目立たせないようにするか、もしくは無精ひげを少し伸ばして、カールおじさんにならないようにした方がかっこよかったと思いました。
 
あっ!でも、1967年ってまだ明治から「カ~ル」が発売されてないし、「カールおじさん」も世の中に出てなくて、「カ~ルおじさんの真似!」とかいって、顔の口の周りに黒や水色のペンで囲ったりという遊びはまだなかったので、髭の剃り跡が青々としてるのは「いい男」のサインだったかもしれなくて、「髭をキレイに剃ってる男=イケてる」みたいな。当時はアレがカッコよかったのかもしれません。私たち昭和50年代60年代で、志村けんの「変なおじさん」とか「だいじょぶだあ~」の変顔で、カールおじさん髭を書くのが「面白い顔」のアイコンとして定着してしまったわけで。
 
今の俳優さんでも(もしかして剃り跡青いですか?)とお顔を拝見しながら(長嶋系かなあ?)というお顔立ちの俳優さん、けっこうおられて、皆さんカールおじさん顔にならないように、気を付けていらっしゃるでしょうし。気にしてなくて堂々と「髭の剃り跡は青いぞ!」と芸能界で大物なのは武田鉄矢さんとか松方弘樹さんとか、昭和の「漢!」。
 
最近個人的に「漢!」不足で、古い映画の黒川弥太郎さんに恋してる状態なので、髭の剃り跡が青々としてる「漢!」キャラ、どこかのタイミングで復活する時がくるんでしょうかね。
 
でも、カールおじさん髭になった作詞家戸田を、令子ねーさんってば、追っかけていくんだもの。
 
これが愛!
病める時も健やかなる時も、カールおじさんになったとしても。
 
エンディングは最高でした。