わたしの幸せな結婚(2023年 日本 KADOKAWA)

 

 

 

 

【少女漫画発!映画化作品】

マンガがヒットしてアニメ化、映画化された少女漫画「わたしの幸せな結婚」。

 

わたしの幸せな結婚 4巻通常版【デジタル版限定特典付き】 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 

 

 

大正時代の日本を舞台にした胸キュンの「シンデレラ」ストーリー。

旦那様は政府の軍人で、異形(妖怪のようなもの)を退治する「異能」をもつ超能力者集団のトップという、SFタッチな少女漫画です。

 

マンガが面白かったので、アニメも期待度マックスで見たのですが、アニメの方は映像がキレイ。

色が美しい。最高! 

 

「少女漫画のアニメでハマったのってキャンディ☆キャンディ♪以来だなあ~」などと思いつつ、大の大人が少女漫画を見てハマるというのもちょっと恥ずかしいぞ!と思いながらも「だって女の子だもの♪」と開き直り、かじりついて見ていた前半戦。最高な展開だったのですが、最終回前後で話を完結させるために、話を端折りすぎて、ストーリーが崩壊。惜しい!

 

なので映画版もストーリーが崩れたりするのかなあと不安で、

それに目黒蓮さんが「旦那様」の久堂を演じるというので、大丈夫なのかな…と思いました。

 

目黒蓮さんって最近、ドラマに出過ぎて消費され尽くし…な印象があります。

ドラマ「Silent」の彼の演技はとても素敵でしたが、直近のドラマである「トリリオンゲーム」の目黒蓮さんの演技がイメージと違ったので、またヒロインの美世さんを演じる今田美桜さんも好きな役者さんではあるのですが、マンガの美世さんは栄養失調でやせ細った影が薄い女性のイメージなのに、今田さんといえば「健康的で幸せそう!」な女性。

 

これ大丈夫なのか?と思いつつ、映画をみてみたら、このキャスティング大正解! 

 

目黒蓮さん、青年将校似合う!

マンガは久堂の美形キャラでクールな男性というのが特に協調されているのですが、映画の久堂はそうではありませんでした。

明治大正期に「青年将校」として新時代を作る若い軍人の精悍さが先に来て、その次に「美形でクールでかっこいい人」という設定が来る感じです。少女漫画やアニメでは描けなかった「青年将校」の男らしさが随所に出てきて、その隙間に「純情で恋には奥手で誠実で…」というエピソードが盛り込まれて、いいなあ、この設定。

 

 

 

原作(マンガ)を正しく理解して、マンガの面白さを超えてさらにバージョンアップさせた作品に仕上がっていました。

少女漫画から、力強い「映画作品」に成っていました。

 

これ、マンガのノベル化をKADOKAWAがやってるんですね。そこからの「映画化」。

 

正しい!正しいラインです。

 

だから、筋がしっかりしてるというか、マンガのキャラから離れて、「人物の性格」に特化してキャスティングが出来たのかも。

だから、キャスティングに成功したのかも。マンガのイメージとは違う役者さんでしたけれども。

 

これは「最高!」。

 

マンガ原作で、ドラマ化するとちゃっちくなるか、ストーリーが崩壊するか、エンディングを変えてしまって、別のストーリーになってしまってがっかりしたりしますが、ところがこの作品、マンガのキャラクターに役者さんたちが魂を吹き込んで、目黒蓮さんがマンガにはない、健康に育った男の子で恋する年代になったリアルな感情が全身からにじみ出ていて、今田美桜さんも、実家で虐待されて日常から傷つけられていた女性を痛々しさをリアルに演じていて、「実写」って説得力ありますね。

 

 

【期待しないで鑑賞しましたが、良作でした!】

 

少女漫画は「男が描けない」というイメージがあったのですが、映画になると「マンガの架空の素敵な男性」がリアルな「血の通った男性」になって、これはバランスがいい!

 

 

 

この2人、目黒蓮さんと今田美桜さんのコンビ最高。

また、久堂演じる目黒さんの恋のライバル?に鶴木新に仮面ライダーのイケメン渡辺圭祐さんがキャスティングされて、政府の特殊部隊の部隊長でオスカルのような出立ちのかっこいい久堂(目黒蓮さん演じる)と、貿易商で西洋人のような出立ちで、もう貴族階級でしょう!という、鶴木新との、バチバチの美世さん争奪戦?も、渡辺圭祐さんが少女漫画の世界から飛び出てきたかのような美しさで、なんとも美しすぎて、軍人を演じる目黒蓮が一瞬「俺物語」の剛田猛男に見えてしまう瞬間があったり、目黒蓮さんも細面の方だと思うのですが、リカちゃん人形の彼氏のような渡辺圭祐さんを前にすると目黒蓮さん、体育会系男子にしか見えないという。

 

これは少女漫画のタイプの違う「イケメン男子」がヒロインを取り合うという、ぐふふな展開で、素敵な男の人2人に守られる美世さんって、うらやましい~! とここで美世さんを演じる今田さんに嫉妬してしまいたくなる場面ですが、今田さんの美世さんの実家の虐待がひどすぎて、見てるこちら側まで「美世さんを助けなきゃ!」と思いながらドラマに参加してしまってるので、このイケメン男子2人の騎士道精神の方に気持ちが同調して、嫉妬の気持ちが出てこないという。

 

今田美桜さん、いい役者さんです! 

 

すばらしい!すばらしい作品!

 

うまい!

 

 

令和の日本の役者さん、いい役者さんがそろっています。

そして、この作品、役者さんのポテンシャルを最大に生かして、撮影地も三重県や京都の歴史的建造物で撮影されていて、大正時代のリアルを堪能することが出来ます。

 

期待せずに見た作品でしたが、これは良作でした。