・モロッコ(1930年=昭和5年 米国 パラマウント)

 

日本で初めて公開された、英語(字幕付き)トーキー映画なんだそうです。

「カサブランカ」に並ぶ名作といわれている「モロッコ」。

 

美男美女のラブロマンスです。

ラストがまた感動的で、

これは世界的にヒットして当然^^

 

外国人部隊の兵士トム・ブラウンとキャバレーの歌手アミー・ジョリーの恋。
トムにゲイリー・クーパー、アミーにマレーネ・ディートリッヒ。

 

アミーに一目ぼれしたモロッコの大富豪ベジエールにアドルフ・マンジュウ(えっ、饅頭って名前ヨーロッパにあるんですか?)

 

 

 

映画が始まった早々からマレーネ・ディートリッヒの妖艶さがさく裂していまます。タキシードの男装姿で歌をうたう彼女がなんともセクシーで、ハートを撃ち抜かれてしまいます。

 

マドンナが彼女のことを大好きで、おそらく彼女の初期セルフイメージのモデルはマレーネ・ディートリッヒだったんだろうと感じるくらい、髪型も、お化粧も、衣装も、しぐさも、しゃべり方も、生き様も、似てる!

 

そっくり!

 

マドンナの強い女性のコンセプト、セクシーな女性のコンセプト、可愛い女性のコンセプトの核の部分に「マレーネ・ディートリッヒ」がいることを実感できます。

 

彼女が目指していたのは、マレーネだ!

と気が付かせてしまう、この作品。

 

マレーネ、マレーネ、素敵すぎる♪

 

マレーネが恋におちる外国人部隊の兵士トムは、のちに「真昼の決闘」で人気を不動のものにしたゲイリー・クーパーが演じています。

 

色男でかっこいいのですが、この時はまだ若くて、ひょろっと痩せていて、全然貫禄がありません。(私のタイプではない)

 

戦地に出たり帰ったりしてる間に、ちょっと自暴自棄になってしまった兵士で、「女との色恋」におぼれ、すぐ女に手を出し、女に囲まれ「女たらし」と呼ばれている若きソルジャー。

 

 

まあ確かにカッコイイけど、後年の「真昼の決闘」の時のシブカッコよさに比べたら10段くらい劣ります。

 

10段くらい劣っても、周りの兵士の中ではピカ1にかっこいいんですよね~♪

 

この美しく若い男女は出会って、たちまち恋に落ちていくんですね。

 

戦場に向かう男とそれを見送る女のピュアなラブストーリーか…とおもいきや、これがお立合い。

 

彼女の方がまた超モテモテで、もてちゃって、もてちゃって、もう大変。

女性に超モテモテのプレイボーイと男性からモテモテのキャバレー歌手。

 

 

これは、これは、この恋どうなるの?

 

 

モロッコの大富豪からの熱烈ラブコールも、うらやましいかぎりです。

 

こちらは大人の男性なので、包み込むように彼女を愛して、ちょっとこれじゃお父さんじゃ?という感じなのですが、自信にあふれた大人の男の大富豪。どの段階で、ぐ、ぐ、ぐいっと!強引に彼女を奪うのか?

 

というところで、モロッコの砂漠や街並みが、醒めながらまた燃えあがる人生を送る大人の心をワサワサさせて、どうなるのこれ!!

 

というお話でした。

 

この作品は「マレーネ・ディートリッヒ」を堪能する作品といえます。

特にマドンナのファンの方は必見です。

また、真昼の決闘のゲイリークーパーが、若いころから、いかに目立つイケメンだったかも確認できますし、そののちに、「真昼の決闘」でアメリカの男を代表する正義のヒーローになっていったわけですが、パラマウントおよびハリウッド映画の製作陣の「目利き力」、「スターはこうやって選ばれて、育てられる」ということを目の当たりにできる作品です。

 

顔はロバートレッドフォードのような整ったイケメンというわけではなく、整ってはいるのだけれども、角度によってはちょっとジミー大西っぽく見える顔(角度的に、ぶちゃいく…)。ところが後に、30代くらいになってくると、どんどん逞しくなって、ジミー大西っぽく見えた表情がワイルドさに昇華して、最高のアメリカの男になっていく。

 

泡盛のしぼりたてはクセがあって美味しくない。だけど若いころクセの強い泡盛は、3年、5年と寝かせると、それが風味に昇華して最高に美味しくなるんです。人間というのはそれと一緒で、欠点に見える部分が、年を重ねるごとに、そこが魅力になって、味になるんですね。

 

「魅力」って成長するんだということを考えさせられる映画でした。