先日、文芸評論家小川榮太郎先生主宰の日本文化サロンにて、演出家木村龍之介さんと私で鼎談をさせて頂きました。

「シン・タイタスREBORN」の稽古も丁度本番まで中盤の所にきて、小川榮太郎先生という叡知と向き合いアウトプットさせて頂けたことは大変に意義深いものでした。

木村さんとの出会いからの、シェイクスピアとの出会い。

私は今回の役、タイタス・アンドロニカスというローマ将軍の高潔な騎士道の精神に、能の中にある武士道の精神を照らし合わせて考えました。
我々現代の能楽師には、本物の武士の魂を歴代脈々と受け継いできたという自負が、今もあります。
今回具体的に私の頭に浮かんだのは、能「八島」の源氏の総大将・源義経の「弓流し」の場面に見られる、「命を捨てても名誉や名前の為に忠義を尽くし生きる」、という精神です。

ローマの騎士道と、日本の武士道。

そして、哀しみと屈辱と不名誉の極致に至ったタイタス・アンドロニカスが、狂人と化していく場面。

ここに私は、能の中にある「鬼」の心をみました。
西洋の「悪魔」ではない、日本の、哀しむべき「鬼」という存在。

私としては、能の中にある「武士道」と「鬼」の心で、このタイタス・アンドロニカスを演じる、ということに、今まさに取り組んでいることをお話しさせて頂きました。

そして今回、現代の屈指の能面師である岩崎久人さんに特別にお願いをして、「タイタス・アンドロニカス」の能面を創作して頂きました。
それを、対外的な方々としてはこの日本文化サロンのご参加者に初めて、ご披露させて頂きました。
凄い面です。!!一同、驚きの声!(写真はまだ公開出来ませんが、、、)
タイタス・アンドロニカスの孤独と哀しみと怒りが見事に表現されています。

そして、能楽師としては勿論そのスキルを使うのですが、それだけでなく、多くの場面で、普通にシェイクスピア劇を演じます。
ここが、私にとっては最大の挑戦です。
テンポ感が能とは全く違います。
能的な表現を活かす為にも、演劇的な表現への挑戦は避けて通れませんでした。

3週間後、お客様の前に立ってシェイクスピア劇を演じた時、私が小さい頃から教えて頂いてきた私の中にある世阿弥や金春禅竹の魂がどう連動し共鳴し化学反応を興すのか?確かめてみたいと思います!

小川先生と木村さんのお話も素晴らしかったです!!

今回は第一歩で、世界進出の話も木村さんからは語られました。

小川榮太郎先生も木村龍之介さんも、以前3人で会食した時もそうだったのですが、評論家と演出家という枠を超えて、まず頭脳のスペックが違うので、私は話についていくのが大変でした(苦笑)、、、

とてもとても、有意義な機会でした。

私の考えもしっかり固まった気がします。

小川先生、木村さん、ありがとうございました!
あと3週間、しっかり作り上げていきたいと思います❗

「シン・タイタスREBORN」
□予約フォームURL
↓↓↓



公演情報はこちら
↓↓↓